メルセデスAMG Cクラス 詳細データテスト 足りないナチュラルさ 動力性能のわりに洗練度は高い
内装 ★★★★★★★☆☆☆
室内を見ると、C63は基本的に、ハイスペックなCクラスのPHEVと同じだが、大きな違いはいくつかある。質感の全般的な高さは、金属や金属調素材を用いたトリム、シートのほかドアやダッシュボードも覆うソフトなレザーによるもの。ダッシュボード下部はカーボントリムを標準装備するが、グロスブラックのプラスティックを用いるセンターコンソールや、ところどころ見られる頼りない組み付けは残念だ。 きちんとしたストレージスペースがあり、実体ボタンは非常に軽いが、操作インターフェイスは直観的で素早く作動するのは、これまでのMBUXシステムでおなじみだ。後席スペースはおおよそこのクラスの典型的なもので、競合する3シリーズ・ツーリングと同等だ。 C63に標準装備されるAMGパフォーマンスシートは非常にサポート性が高いものの、硬くてパッドが薄く、バックレストに穴があいている。だが、長距離での快適性がほかのほとんどのメルセデス用シートと変わらないまま、ドライビングポジションをスポーツワゴンにふさわしい低さにしてくれる。よりマイルドなスポーツシートを備える、ツーリングパッケージは無償オプションだ。 しかしながら、計器類のレイアウトは通常のCクラスの高いドライビングポジションを想定したもので、低いシートに合わせようとするとステアリングホイールに遮られることがある。出来のいいヘッドアップディスプレイが標準装備されているのは、じつにありがたい。 室内空間は、かさばるハイブリッドドライブトレインの割を食っている。Cクラスのワゴンボディの荷室容量は、ディーゼルだと490Lだが、PHEVのC300eは360Lに目減りする。それでも、少なくともフロアはフラットだ。これがC63になると、リアのドライブユニットの上部にある電気系が荷室へ張り出すため、容量が320Lへ減少するとともに、フロアには段差が生じてしまう。充電ケーブルをしまえる床下収納もない。間違いなく最大のライバルとなるM3ツーリングなら、ハイブリッドではないこともあり、その手の問題は起きない。