箱根駅伝あの“伝説の1区”から3年「兄的にはドキドキしちゃった」吉居兄弟のカワイイ関係…弟・吉居駿恭も“大逃げ”成功、中央大・藤原監督が語る「兄弟の差」
中央大学、吉居兄弟の「掛け合い」は、今年の箱根駅伝中継の名場面だった。 スタジオから、お兄ちゃんの吉居大和(現・トヨタ自動車)がアナウンサーに促され、区間賞を獲得した弟の吉居駿恭に話しかける。 【貴重写真】「かわいい兄弟関係」吉居兄弟の感動的な名場面&「ほぼシンクロ!」1区“大逃げ”する吉居兄弟の写真を比べてみる <兄 おめでとう。 弟 ありがとう。フフフ。 兄 どんな感じだったのかな。出た時? 弟 遅くなりそうだったから、前に――えっ、これ敬語の方がいいんですかね? > 思わず、吹いてしまった。 兄弟の会話が、図らずも全国放送に乗る公の会話になってしまった戸惑いが、なんとも微笑ましかった。
「兄的にはすごくドキドキしちゃった」
その後、弟の駿恭は冷静に1区のレース展開を振り返った。 <弟 スローペースにはなりたくなかったので、前に出たんだけど、そしたらうしろ、いないんじゃない? みたいになって。本当に想定はしてなかったんだけど、うしろ離れちゃったので、行くしかないなと思って。 兄 まさか出るとは思ってなくて、兄的にはすごくドキドキしちゃったけど、最後まで行ってくれてよかった。本当におつかれさま。 弟 ありがとう。> ふたりの良好な兄弟関係が垣間見えたようで、うれしくなってしまった。
藤原監督が明かした「指示していませんでした」
さて、1区のかなり早い段階で飛び出した吉居駿恭の走りをどう解釈すればいいか。 「吉居兄弟は、気持ちを抑えられないんです」 そう話すのは、中央大学の藤原正和監督だ。 兄の吉居大和は、2022年大会の1区で弟と同じように集団から飛び出し、そのまま押し切った。兄の大和は、その時の判断をこう話していた。 「予定通りということはなくて、集団のペースが遅かったので、『だったら自分のペースで行こう』と思って、飛び出したんです」 弟と同じである。藤原監督は、この時の兄のレースをこう振り返る。 「まったく指示していませんでした。ああ、大和が行ったという感じでしたね(笑)。大和はポイント練習でも、気持ちが乗ってしまうと、想定以上のタイムで走ってしまうことがあります。それはリスクにもなるので、ヒヤヒヤするんですけど……。抑えるよりも、自分のペースで気持ちよく行かせた方が良いという判断でした。弟の駿恭も同じように、感覚的なところがあります」 自分の感覚。「遅い」と感じれば、自分で押してしまえ。そんな潔さが吉居兄弟の魅力だ。
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