「アルビノを言い訳にしたくない」気持ち強く……19歳の夢はモデル “難病”をポジティブに『every.特集』
■パラリンピック聖火ランナーへ挑戦
そんなさくらさんが、アルビノを前向きに捉えられるようになったきっかけがありました。 それは、2021年、東京パラリンピックの聖火ランナーへの挑戦。たくさんの人に声をかけられ、気持ちに変化が生まれました。 さくらさん 「今まで肯定的に捉えられなかった白さとか、人との違いっていうのを逆に『かわいいね、きれいだね』というポジティブな言葉をもらったときにちょっと自信になって、気づいたら、(モデルに)なりたいかもって。すごいひらめいた感じです」 生まれつきの白さを生かした「アルビノモデル」になりたい…SNSで写真や動画を発信し、挑戦を始めました。
■「アルビノモデル」夢への一歩
8月下旬。 さくらさん 「こんにちは。よろしくお願いします」 ウオーキングトレーナー 金刺 遥さん 「頑張りましょう」 都内のレッスンスタジオ。本格的なモデル活動を行うため、2024年4月からレッスンに通っています。ただ、さくらさんは、アルビノならではの課題に直面しています。 トレーナー 「見えなくなるとやっぱりこうなるのよ。それはしょうがないことだけど、ショーのときにその顔するの?」 さくらさん 「ちょっと…困ります」 トレーナー 「されても困ります。しないように練習する癖、そこからつけましょう」 アルビノの影響で、視力が低いだけでなく、眼球の揺れも伴うため、目に力が入り、どうしても表情が険しくなりがちなのです。さらに…… トレーナー 「あ~ダメダメもう一回。腕でバランスとっているよ」 眼球が揺れるため、まっすぐ歩くということも、さくらさんにはとても難しいことでした。 スタッフ 「どうでしたか? レッスンは」 さくらさん 「んー…、最後歩いた時もヨロヨロしちゃって、ちょっと悔しい思いが残っています。今は頑張るしかないって思って歩き続けます」 レッスンで悔しさが募ったさくらさん。自宅を訪ねると、紫外線を気にしなくてもいい夜にひとり、自主練習に励む姿がありました。 さくらさん 「できない自分がすごく悔しくて、モデルとしてこれから高みを目指す以上、アルビノっていう部分を言い訳にしたくない」 障害に負けない――悔しさが、気持ちを強くしていました。