年金だけで100%生活している高齢者世帯は41.7%のみ。今のシニア「年金額・生活費・貯蓄額」はいくらなの?
老後の生活費をシミュレーションする
老後の生活費として、今の生活費の8割減などで想定する方もいますし、平均額を参考にする方もいます。 総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編」によると、65歳以上・無職夫婦世帯の1ヵ月の生活費は平均で25万959円です。 ●消費支出(生活費)25万959円の内訳 ・食料費:29.1% ・住居費:6.7% ・光熱・水道費:8.9% ・家具・家事用品費:4.2% ・被服及び履物費:2.1% ・保険医療費:6.7% ・交通・通信費:12.2% ・教育費:0% ・教養娯楽費:9.8% ・その他:20.3%(うち交際費9.7%) さらに、ここに非消費支出として3万1538円が加算されます。 年金だけで賄えない世帯が多いことにもうなずけます。平均だけではなく、我が家の場合はどうか? と差引してシミュレーションしてみましょう。 年金だけでは足りない分について、貯蓄の取り崩しが必要となるでしょう。
【今の70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額はいくら?
最後に今の70歳代の平均貯蓄額を確認していきましょう。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりとなりました。※金融資産保有額には預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。 ・平均値:1757万円 ・中央値:700万円 平均値である1757万円をみると、多くの世帯が貯蓄できていると感じた方もいるのではないでしょうか。 例えば日々の不足額が5万円という場合、29年はまかなえる計算です。 しかし、平均は実態とかけ離れていることも多く、実際に中央値は700万円となっています。 貯蓄割合も確認していきましょう。 ●【70歳代】二人以上世帯の貯蓄割合 ・金融資産非保有:19.2% ・100万円未満:5.6% ・100~200万円未満:5.1% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:4.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:5.8% ・1000~1500万円未満:10.2% ・1500~2000万円未満:6.6% ・2000~3000万円未満:7.4% ・3000万円以上:19.7% 「貯蓄3000万円以上」が全体の約2割であり、同様に「貯蓄ゼロ(金融資産非保有)」も約2割を占めることがわかります。 高齢者世帯の約6割が年金だけで100%生活できていない一方、十分な貯蓄がないとなれば、働くことで収入を確保することも必要になります。 健康寿命や医療費や介護費用などの支出増を加味すると、一定の貯蓄が重要になると感じるのではないでしょうか。 安心した老後生活を送るためには、現役時にある程度の貯蓄をしておくことが重要であると言えます。