3頭の菊花賞馬を輩出した名種牡馬「ダンスインザダーク」 印象とは裏腹に幅広い距離適性を示す晩成型の傾向
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【写真】ダンスインザダークのこれまでの軌跡 【ダンスインザダーク】 サンデーサイレンスの2世代目の産駒で、全きょうだいにダンスパートナー(オークス、エリザベス女王杯)、ダンスインザムード(桜花賞、ヴィクトリアマイル)がいます。現役時代に菊花賞など3つの重賞を勝ちました。 この良血を活かして種牡馬としても成功し、総合種牡馬ランキングでは2004年に2位を記録。2003年から2009年までベスト5以内を保ちました。ザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスと、3頭の菊花賞馬を出したことで長距離型というイメージが強いのですが、配合次第でさまざまなタイプを出し、ツルマルボーイ、クラレント、ジョリーダンス、マルカフェニックスなど、1400~1600mがベストというタイプも少なからず出しました。産駒の芝平均勝ち距離は1813m。これはステイゴールドの1940m、ハーツクライの1879m、ディープインパクトの1819mより短く、ゼンノロブロイの1803m、ネオユニヴァースの1791mより少し長い程度です。競馬場別では中山芝を苦手とし、道悪は上手とはいえず、3歳夏以降に完成するタイプが目立ちました。 母の父としては2015年の2位が最高。2代母の父としては、今年の3歳馬からステレンボッシュ、レガレイラ、アーバンシック、メイショウタバル、カルチャーデイといった活躍馬が出ています。 ◆血統に関する疑問にズバリ回答! 「今年の総合種牡馬ランキングは例年と違う傾向が見られますか?」 昨年は1位ドゥラメンテから10位ルーラーシップまで、切れ目のないなだらかな階層が形成されていました。しかし今年は、1位キズナ、2位ロードカナロア、3位エピファネイアの3頭が第一集団となって抜け出し、4位以下の第二集団を引き離しています。群雄割拠時代とはいえ強弱が少しずつ露わになってきました。4位ドゥラメンテから10位ヘニーヒューズまでは団子状態で、ドレフォン、ハービンジャーは昨年に比べて好成績が目立ちます。 母の父は昨年僅差の2位だったディープインパクトがキングカメハメハを抑えて首位に立っており、この部門で初めて戴冠する可能性が出てきました。