走りとデザインで80年代の若者を魅了 初代CR-Vはホンダの名車
ホンダのスポーツモデル
初代CR-Xと言えば、ホンダのFFスポーツハッチバック、つまりライトウェイトFFスポーツやホットハッチというイメージが強いと思う。筆者もそれについて異論はない。860という今のクルマでは考えられない軽量ボディによる動力性能、街中、ワインディングなど走る場所を問わずキビキビとしたハンドリングはスポーティだった。 筆者は1966年に生まれた。初代CR-Xが登場した時は17歳ということで高校2年生。クルマに興味を持ち始めたころだ。当時のホンダのイメージとしてはシビックくらいしか浮かばないレベル。 S500、S600、S800という一連のホンダの『Sシリーズ』の栄光を知らない筆者は、F1での活躍も実感ないし、2輪車にも乗っていなかったからホンダエンジンの気持ちよさも知らない。つまりホンダにスポーツイメージはまったくなかった。そんな筆者にとって初代CR-Xはホンダ初のスポーツモデルという印象が強いのだ。
空力を追求
ライトウェイトFFスポーツの初代CR-Xは、ホンダとして画期的なチャレンジがいろいろ盛り込まれている。他メーカーに先駆けてフラッシュサーフェイス化に挑んだことはその最たるもの。 フラッシュサーフェイス化というのは、ボディに段差をなくし空力をよくすることで動力性能、静粛性、燃費など多岐にわたり性能を向上させるのが狙いだ。 初代CR-Xでは、フラッシュマウント接着ガラスの採用によりウィンドウ類とボディの段差はわずか3mm!!と当時最高レベルの技術を投入。さらにドアハンドルも段差のないインテグラルドアハンドルを採用するなど空力追求を徹底している。 エクステリアではバンパー一体のエアロスカートの採用(最上級モデルの1.5iにはロアスカート装着)、コーダトロンカのリアエンドは見た目のスポーティさだけでなく、ダウンフォースを生むクラウチングヒップ形状としているのもポイントだ。 このエアロダイナミクスの追求は、燃費性能を大幅に向上させている。走りが気持ちいいだけでなく燃費もいい。これぞホンダのスポーツモデルの流儀だ。