「満腹感」すらコントロールする!ダイエット成功のカギは「小さめで重い茶わん」で食べること
小さい器に盛れば「山盛り」に見える
心理学実験から、見た目を多く見せることによって、満腹感を増加させるとの報告がある。盛り付けや食材のカットの仕方によっても、満腹感が変わることを示している。そのため、小さい器を使用することをおすすめする。見た目を「山盛り」にするために、小さい器を使い、満腹感を誘うのである。 早食いだけでなく、1人で食事を取れば(孤食)、おしゃべりをすることもなく必然的に早く食事が終わってしまう。そこで筆者(堀口)は、生理学的に満腹感を得るために、食事にかかる時間の目標を10分以上にしている。1人で20分はとても無理である。その10分でさえ早食いの私にはハードルが高く、食事時間を測っていて、ナイフとフォークを使った食事の場合に10分以上かかることが分かった。しかし、和食をナイフとフォークで食べるわけにはいかない。
食事時間を気にしながら食事をするようになってから、また、1食の皿数が少ないと食事時間が短くなることも分かった。例えば、丼ものである。
「ながら食べ」のリスクを理解して、あえて利用する
昔は、テレビを見ながら、本を読みながら食べるのは良くない、と食事のマナーとして注意されていた。近年では、スマートフォンやタブレットを使用しながらの「ながら食べ」。私の食事は「ながら食べ」に該当しないわけではない。 「ながら食べ」を検索すると、食事に集中できていないため「太る」と出てくる。研究によって、食事中にテレビを見たりゲームをしたりすると、食事に対する注意は妨げられ、食事に対する記憶が減少し、その後の摂取量が増加することが明らかになっている。ゲームをしながらスナック菓子を1袋食べてしまっていたという現象は、これで説明できる。最近聞かれる「マインドフルイーティング」は食事を意識して食べることであり、「ながら食べ」の逆であることがお分かりだろう。 血糖値の上昇だけで満腹感が説明できないことを認識し、「ながら食べ」のリスクを認識しつつ、私は、致し方なくラジオニュースを聞きながら、時には疑問に思った内容についてスマートフォンで調べたりしながら食事をしている。食事時間中にそれ以外のことを「する」「しない」の2択でなく、「程度」を考えながらの「ながら食べ」である。
堀口 逸子,平川 あずさ