『光る君へ』道長からの褒美の扇に描かれた男女にまひろは…『竹取物語』を連想させる筆記具も。細部まで見なければもったいない!
◆平安へのタイムスリップ ここでも藤壺を象徴する藤のある庭に紫雲文様の几帳、御簾の野筋など藤色(紫)をキーカラーにして装飾を施した。 まひろは『源氏物語』の執筆のために、藤原道長から特別に個室を与えられた。 見逃せないのが、まひろが道長から贈られた檜扇(ひおうぎ)である。有職彩色絵師の林美木子氏が、まひろと三郎(後の道長)の子供の頃の初めての出会いを檜扇に描いている。「国宝級」と思い、美術スタッフは手袋をはめて大切にあつかっているという。 まひろは『竹取物語』が好きで、娘の賢子(かたこ)にも読んで聞かせている。そのため物語を書く筆記具にもこだわった。三日月の硯、竹文様の水差し、牛車の筆置き、兎の文鎮など、竹取物語を連想させている。 このドラマには月が多く登場する。まひろが一人で眺め、道長も一人で眺め、一緒に眺めるシーンもある。その月にもこだわり、空気の澄んだ北海道で撮影した月を登場させている。私は北海道に行ったことがないので、月が出るとありがたく拝見している。 美術チームのこだわりが満載の『光る君へ』は、令和に生きる私たちを、平安の世界にタイムスリップさせてくれる。
しろぼしマーサ
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