欧州主要3国、EUに銀行規制の緩和求める-競争力強化に焦点を
(ブルームバーグ): 欧州の主要国であるドイツとフランス、イタリアは、金融規制の策定を抑え、代わりに銀行セクターの競争力強化に焦点を当てるよう欧州連合(EU)に強く求めた。規制よりも経済成長を優先する世界的な政治の変化があらためて示された。
同3国は、EUの行政執行機関である欧州委員会のベリガン金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局長に共同書簡を送り、銀行が「公平な競争条件」を確保できるようEUに既存規制の一部緩和を求めた。また次期欧州委に対し、金融を対象に短期および中期の「新たな大型イニシアチブの導入を控える」よう呼び掛けた。
規制強化の傾向にあるEUへは反発が高まっており、フランスのマクロン大統領は今週、過剰なルール作りはEUの競争力を損なうリスクがあると警告した。
ドイツとフランス、イタリアは「金融セクター、特に銀行の競争力強化を重視すること」を望んでいると訴えた。9月24日付の同書簡によれば、同3国の政府は「最近、複数のイニシアチブが打ち出されたが、共通している目標は欧州の競争力低下に歯止めをかけることだ」と記した上で、「金融セクターがこの対象から外れるべきではない」と続けた。
欧州委の報道官は書簡を受け取ったことを明らかにし、この問題の対処は次の欧州委次第だろうと話した。ドイツ財務省の報道官は進行中の政策協議についてコメントできないと述べた。イタリア財務省にコメントを求めたが返答は得られず、フランス財務省も今のところコメントはない。
原題:EU’s Biggest Economies Join Global Push to Ease Bank Rules (1)
(抜粋)
--取材協力:Nicholas Comfort、Lyubov Pronina、William Horobin、Alessandra Migliaccio、James Regan.
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Laura Noonan