バス通勤から「電動キックボード通勤」に切り替えようかと考え中です。もし通勤中にけがをした場合は、電動キックボードでも「労災」は下りますか? 注意点もあわせて紹介
規制緩和により、一定の条件を満たせば免許もヘルメットも必要なく「電動キックボード」が運転できるようになりました。都内では、電動キックボードを利用して通勤している人を見かけることが増えましたが、「通勤中の事故によるけが」が気になる人は多いでしょう。 電動キックボードで通勤中に大けがをして仕事ができなくなった場合、通勤災害として労災保険の対象になるのでしょうか。本記事では電動キックボードで通勤中の事故が労災になるのか、電動キックボードで通勤したい人が知るべき注意点を紹介します。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説
電動キックボードとは
電動キックボードは、電動式のモーターとバッテリーを搭載したキックボードのことです。2輪または3輪のタイヤが取り付けられており、立ち乗りで走行する点に特徴があります。 2023年に施行された電動キックボードに関する改正道路交通法によれば、電動キックボードは原動機の定格出力や時速制限などを満たす「特定小型原動機付自転車」と定義され、運転免許がなくても16歳以上の人なら運転が可能になりました。
電動キックボードで通勤中に労災が下りる可能性はある
自転車通勤やバイク通勤が認められている会社の場合、電動キックボードでの出勤が許可される可能性はあります。では、電動キックボードで通勤中に事故を起こした場合、公共交通機関や自転車での通勤のように労災(通勤災害)の対象になるのでしょうか。 労災が下りるためには、(1)就業に関して、(2)住居と就業場所との間を、(3)合理的な経路及び方法で移動を行うこと、という条件があります。 電動キックボードの事故で労災が認められるかは、電動キックボードでの通勤が「合理的な経路及び方法」に該当するかが焦点になるでしょう。電動キックボードは自転車や自動車と比較して利用者数が少なく、会社から「合理的な移動手段ではない」と判断される可能性があります。 ただ、労災認定をするのは会社ではなく労働基準監督署です。労働基準監督署が合理的な移動方法と認めれば、労災として認定される余地はありますが、2024年現在はまだ電動キックボードでの通勤は一般的ではないといえるのではないでしょうか。労災と認めてくれるかは不透明です。 しばらくはプライベートでの利用にとどめ、通勤に利用するのは電動キックボードでの通勤が社会的に受容されてきてからのほうが無難でしょう。