【特別トーク】愛媛県・中村知事が語る「ゆく年くる年」きりたんぽ&じゃこ天を囲んで
グツグツと煮立ったきりたんぽ鍋とじゃこ天。 だしの香りが立ち込める道後プリンスホテルの一室で、愛媛県・中村時広知事に2023年の回顧と2024年の展望を聞いた。 初公開となる“じゃこ天騒動”の裏話から県産品の国内外へのトップセールスまで。愛媛の「ゆく年くる年」は。
「最初聞いた時は『ん!?』と思った」
-きりたんぽとじゃこ天の鍋は初めて? 「いや、実はあの騒動の後、一回家でやってみたんですよ。そしたら思ったよりも美味かった(笑)。きりたんぽはお米だから満足感もあるんですね」 -率直に「じゃこ天」騒動を振り返って 「初めて佐竹知事(秋田県)の『貧乏くさい』という発言を聞いたときは、『ん!?』という思いは当然あった。『何を!?』『何だと!?』みたいな(笑)。でも、佐竹知事は以前は秋田市長だった。僕も松山市長でその時から面識もあって、とてもいい人なんですよ。とても悪気はないんですね。発言後にすぐ電話したんですけど、佐竹さんは『すまん、すまん』と謝ってばかりで。『もう気にされんでください』と。そこから、お互いに宣伝してコラボしましょうっていうよう流れになった」 -佐竹知事と愛媛もゆかりがある 「家柄が本当にお殿様で、佐竹藩のお姫様は第9代宇和島藩主に嫁いでいるんですね。だから騒動後に佐竹さんにお会いしたときに、『佐竹さんのご先祖もまさにじゃこ天の産地・宇和島に嫁いでこられてて、本当にそういう意味では近い関係なんですよ』と。『歴史の記録上、じゃこ天が美味しくなかったという記述は残ってませんけど』って伝えておきましたよ」 -秋田からじゃこ天の注文も増加 「うれしいですよね。なんとなくギスギスした世の中じゃないですか。何があっても“大人の対応”というのが、意外な結果をもたらすと僕は思ってます。本当に、ウィンウィンになってよかったなと思ってますね」 -愛媛の食が全国的に知られてない? 「愛媛県の最大の強みは柑橘。それから養殖業も全国一位です。愛媛は食材が豊富なので恵まれすぎているあまり、焦点が絞れないところもある。それくらい豊富。柑橘と養殖魚を前面に出しつつ、これもあれもって誘っていくという風な戦略を基本に置くのが一番いいのかなと。全国区になるポテンシャルを持つ食材はたくさんあります」