愛媛のローカル番組が“全米”放送 きっかけは23年前のある事故
南海放送の情報番組「もぎたてテレビ」が、この春、全米のケーブルテレビ局で放送が始まりました。 もぎたてテレビは、「愛媛のいいとこ探し」をテーマに、今から33年前の1991年に放送がスタートし、アポなしロケなど愛媛の方々の温かな人情にふれながら、愛媛ならではの旬の食材やスポットなど、最新から穴場な情報を、毎週日曜お昼に紹介しています。放送を続けて1500回以上、私も4年前、6代目MCに加わり、日々刺激的な愛媛巡りの真っ最中です。
「もぎたてテレビ」は愛媛県内の放送がメインですが、2012年からは米ハワイ州ホノルルに本社を置くケーブルテレビ局「NGN」(Nippon Golden Network)でも毎週放送されていて、この春「NGN」の番組が全米41州のケーブルテレビ局でも放送されることなり、それに合わせて、もぎたてテレビもニューヨークやロサンゼルスをふくむ全米本土で放送されることになりました。 2011年に、愛媛のローカル番組がなぜハワイで放送されることになったのか。 きっかけは、2012年からさらに11年遡った、ある事故でした。
ハワイ沖で発生“えひめ丸”事故 高校生ら9人が犠牲に…
2001年2月10日、ハワイ沖で実習中だった愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が、急浮上してきたアメリカ軍の原子力潜水艦に衝突され沈没。生徒、指導教官、乗組員の9人が犠牲になりました。
この事故をきっかけに、えひめ丸事故を風化させぬようにと、2年後の2003年、愛媛県とハワイ州が姉妹都市の提携を結び、お互いにインターン生の受け入れや少年野球大会の開催などを行ってきました。この交流は現在も続いています。県とハワイ州だけでなく、メディア同士の交流も始まり2012年7月、ハワイで『もぎたてテレビ』の放送がスタートしたのです。 ハワイには、移民した日系人が多く、現在も人口あたり5人に1人が日本にルーツを持っているといわれています。 とはいえ、当時の収録は今のようなデータではなくテープ。南海放送スタッフがテープをハワイに送り、それをNGNのスタッフが英語字幕を付けて…と、放送当初はかなり大変だったようです。