あなたの中に眠る「使える短所」と「使えない長所」 禅僧が説く「長所がない」と嘆く前にやるべきこと
つまり、あなたの個性が長所として輝くかどうかは、環境で決まる部分が大きいのです。前述の「ひとりでいるのが好き」な人も、チームワークが求められる環境ではずいぶん肩身の狭い思いをするかもしれません。 ■あなたの短所が誰かを光らせている 誰かと出会い、役立つ道が見えてこそ個性は長所になるのです。個性豊かなさまざまな人と出会うなかで、あなたの長所は磨かれていきます。 ですからどうか、人と交わる場所に出ていくことを、恐れないでください。あなたの長所が輝く機会は、そこにあるからです。多くの人と助け合い、支え合う関係が築けたら、もう何も心配することはありません。
それは、自分の長所のみならず、短所の使い道が見えてくるからでもあります。あなたの短所は、誰かの長所が発揮される機会をつくることでしょう。 どんなに優秀とされる人でも、全方位に優れているかというと、そんなことはありません。どんな人にも長所と短所があり、あなたにも長所と短所がある。そんな人たちのなかに、臆さず身を投じることです。 苦手なことがあれば、苦手だから助けてほしいと、声をあげましょう。それだけで心は楽になり、助けてくれる人も現れます。逆に、助けてほしいと声をあげている人がいたら、自分も迷わず手を差し伸べましょう。
長所も短所も、どちらも人の役に立っている。その事実に気づけたら、もう大丈夫。こんな自分も悪くないじゃないかと、心から思えてくるのです。
枡野 俊明 :「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶