全大阪府立高に短期留学制度導入へ 英語力向上、1人10万円補助
大阪府教委が全府立高校に海外の姉妹校と提携させ、生徒が短期留学できるようにする制度を検討している。各校20人程度を1週間から10日ほど派遣し、1人当たり10万円を補助する。2025年大阪・関西万博を機に高校生の英語力を高める狙いで、28年度までの完全実施を目指す。府教委によると、都道府県単位で海外留学制度を導入するのは異例という。 対象は府立の全145校(25年度)。既に49校が海外の高校と姉妹校提携しているが、近年は旅費の高騰や物価高で海外留学の予算が確保できないケースもあるという。新制度は生徒の保護者に渡航費などの名目で10万円を補助し、残りは自己負担とする。姉妹校は英語で交流できることが条件で、米国や豪州、韓国、台湾などを想定している。 提携先を確保できた高校から順次、留学を開始。25年度は既に姉妹校がある49校で先行実施し、提携先を探す民間業者への委託費を含めて約2・6億円の予算化を目指す。全府立高で制度を導入する28年度以降は年約5億円の予算規模となる見込み。 大阪府では、高校授業料の無償化で私学人気が高まり、府立高の魅力向上が課題に。府教委は23年度から全校に英語が母国語の講師を配置しているほか、独自の教育アプリを開発するなど、英語教育に力を入れてきた。担当者は「さまざまな国の人と触れ合える万博を好機に、海外で活躍できる人材を育てたい」と話している。【戸田紗友莉】