【中学受験】偏差値が足りないのに逆転合格した子がやっている入試対策とは?
中学受験では、思いもよらない「逆転合格」が起こりやすいと言われている。その背景には、小学生の成長スピードや、入学試験の性質が関係している。なぜ偏差値がすべてではないのか。本番で力を発揮するために必要な要素は何か。大手塾の偏差値帯別に入試を解説するとともに、実際の成功例から逆転合格を実現するためのヒントを紹介する。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之) 著者プロフィールを見る ● 逆転合格には 理由がある! 中学入試は高校受験や大学受験に比べて「逆転」が多い受験であることは間違いありません。その理由には、伸び代の大きい小学生の受験であることや、公立中高一貫校を除いて学校成績が問われない一発勝負の入試であること、学校成績が問われない試験であることなどがあります。 また、同じ11~12歳の子どもたちが生まれて初めて受ける試験なので、学力以外にも体力や精神面が良くも悪くも大きく影響することも理由に挙げられます。 そして今回の本題ですが、入試問題には「こんな生徒を合格させたい」という明確なメッセージが込められています。だからこそ、しっかり対策をしていけば、偏差値を超えて合格することは十分に可能です。
● 実は合格力を計れない!? 問題に“癖”がない合格判定模試 入試問題とは異なりますが、偏差値を計るために活用される塾の合格判定模試は、問題自体は特徴がないものになっています。これは、いろいろな偏差値帯のレベルの子どもが一度に受験するため、あえて問題に“癖”を付けないようにしているからです。そのため、模試は入試問題と性質が異なり、偏差値を知るには便利ですが、必ずしも合格力を計れるものではありません。 実例を挙げてみます。昨年、私が教えている塾で、12月に受けた大手塾の偏差値よりも20ポイント以上高い偏差値である慶應義塾湘南藤沢中等部に合格した生徒がいました。慶應湘南藤沢といえば、神奈川県の共学校で最難関の学校です。 この話を聞くと、「急に偏差値を伸ばしたようだけど、入学してから勉強についていけるのか?」と心配する方もいるかと思います。しかし、その生徒は、入学後の定期試験でも上位の成績を納めていました。 つまり、この合格は偶然ではなく必然であったと感じています。こうした例は、レアケースだと思われるかもしれませんが、実は経験上、少なくありません。 では、「偏差値を超えた合格が多い学校」はどんなところなのか。