【中学受験】偏差値が足りないのに逆転合格した子がやっている入試対策とは?
● 模試と本番は別物! 「合格人数」は上振れる 次に、「模試と本番の入試の違い」について、深掘りしてみます。 模試と違って、実際の入試では同じくらいの成績の生徒と点数を争うことになります。もちろん、その学校を抑えにしてくる上位生も混じってはいますが、各学校はそのうちの何割かは「合格したら他校に手続きをする」ということを毎年のデータから勘案して合格発表人数を決めていきます。 さらに、複数の中学校の先生に実態を聞いてみると、上位生が混じったとしても、合格ライン近辺に多数の生徒が集まるのが普通です。 「国語で直前に扱った文章が出題された」「算数で得意な単元が大きな配点で出題された」などで、10点以上は簡単に得点が変わってきます。 また、同じ学校を複数回受け続ける場合は、加点してもらえるなどの優遇措置がある学校はもちろんですが、どこかの回で上記のような幸運と出合える可能性は高くなります。 ● 何度も受けられる「模試」は 出題範囲にも注目しよう さらに、複数回実施される合格判定模試と一発勝負の入試の違いについても説明します。 合格模試は、基本的に4~5回ほど行われることが多いのですが、国語以外の単元は毎回違うものが出題されることが普通です。 理科を例にとると、9月の模試に天体が出たとしたら、次の回は同じ地学分野の中から天気が出題されたりします。この出題単元が違うことで、成績が上下するように見えることがありますが、学力が大きく上下しているわけではないことも抑えておきたいポイントです。 入試直前の合格判定模試が良くない、また下がると「これではまずい……」と心配になるかと思いますが、それまでの模試と総合して判断した方が良いでしょう。
● たとえ第一志望を諦めても 第二志望に合格できない現実 では、シビアな内容も説明します。 単刀直入に、「第一志望を諦めて、第二志望に変えたとしても合格は約束されない」ということです。 第一志望を断念して、それよりも偏差値が低い第二志望を受ければ何とかなるだろうというのはハッキリ言って甘い考えです。それは偏差値を10ポイントくらい下げれば問題ないかもしれませんが、5ポイント程度だと安全圏とは言えません。逆転合格があるということは、思ってもみない不合格もあるということです。 私は、志望校を「下げた」という言い方もおすすめしていません。 「下げた」という言い方は、子どもたちが「学力が下がっても大丈夫」というニュアンスを含んでいるため、変な安心感を与えてしまい、勉強の追い込みが効かなくなるケースがあります。また、第一志望を受けられないという落胆が、学習意欲の減退に繋がるのもよくないこと。 入試直前に、過去問をあまりやっていない学校に志望校を変更するのは、リスクが大きいことだとお考えください。もし、どうしても変更する必要がある時は、上記で分析を進めてきたことを元にして、第一志望との出題傾向が大きく離れていない志望校に方針変更するのが良いでしょう。 この時、子どものモチベーションが入学後に下がらないような「大義名分」(あなたの好きな部活はこちらの学校の方が強いね、など)を説明してあげてください。