母親「娘は自分の味方でいてくれた 死なせてしまい、ごめんなさい」 青森・八戸市5歳虐待死公判
今年1月、青森県八戸市柏崎4丁目のアパート浴室で、長女=当時(5)=に冷水を浴びせて放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親(22)の裁判員裁判第2回公判が27日、青森地裁(藏本匡成裁判長)であった。母親は被告人質問で、長女に対し「つらい思いや苦しい思いをたくさんさせたけれど、娘は自分の味方でいてくれた。死なせてしまい申し訳ない、ごめんなさいって思います」と声を震わせた。 母親は、千葉県の実家で暮らしていた頃から、長女や長男=当時(1)=の育児をしなくなった理由を弁護側から問われ「16歳で結婚、出産して母の元にいて友人と遊ぶ機会が何度かあり、遊びたいと思ってしまった」と供述。裁判官からの「(事件当時は)娘は大切な存在だったか、疎ましいと思っていたのか」との質問には「半分半分」と答えた。 交際相手の男(32)=同罪で起訴=が浴室で長女に水をかけて長時間放置する「ぬらしせっかん」は昨年11月以降に10回以上あったとし、検察側から黙認していた理由を問われると「交際相手にたたかれたりしていた。(怒りの)矛先が自分に向くのが怖かった」と説明。119番通報の際、消防に対して長女が風呂で溺れた旨のうそをついたことについては「交際相手を守りたかったし、保身に走った」と述べた。 犯行時の心境について、裁判官から「長女が非常に寒くつらい思いをしていると思わなかったのか。心配ではなかったか」と問われると、「交際相手がそういう行為をすることが当たり前になっていたので考えなかった。その頃は『母親』じゃなかった」と振り返った。