【単独】入場者数“爆増”のBリーグ、島田チェアマンに聞く「最高の顧客体験」の秘密
リーグで「データ統合」、“圧倒的”成長スピードを実現
データが可視化され、その利活用をリーグが主導することで、リーグ全体の成長スピードがさらに高まっていく効果が期待できるようだ。現状は「チケットがどんなタイミングで、どういう販売方法のときに売れ行きが良いかなど、勝ちパターンをリーグとして蓄積し、各チームに還元していくことを目的としています」という。 「たとえば、各チームが自前で取り組めば10年かかる成長スピードを、リーグが取りまとめて1年でノウハウを共有、吸収できれば、9年短縮できることになります」と島田氏は述べる。今は分析の粒度がまだ粗いとしつつも、「こんなデータが取得できたら良いという要望を加味し、細部にわたって理想に近づけている段階です」とした。 「50以上のクラブのチケットデータは本当に“宝の山”。これを統合管理できるというのは、他のプロリーグにはないBリーグ独自の強みであり、これを武器に変えていけるよう、模索を続けているところです」(島田氏) 統合管理の取り組みの1つが、個人情報をバスケットボール界全体で統合するDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)の構築だ(下図)。 島田氏によれば、現在、リーグ内で各クラブと連携して統合データベースを活用する「ステップ3」の段階にあるという。これは、各クラブが保有する来場者、チケット、グッズなどのデータを統合することで、来場者にとってさまざまなメリットを提供することができる段階だ。 今後は、9月にサポーティングカンパニー契約の締結を発表したTISと連携し、リーグ内のデータだけでなく、日本バスケットボール協会など、バスケットボール業界全体との連携を目指していく方針だ。 併せてデータアナリストなどのデータ活用人材についても増強していく。「アナリストのスキルを持った人材はいるものの、現状はまだ少ない状況です」と島田氏は述べ、これから本格的に採用活動を進めていくところだとした。