55歳、ひとり暮らしで「老後」が不安。心穏やかに明るく暮らすヒント
老後が不安という50代の読者の悩みを、産婦人科専門医の高尾美穂先生が解決。老後の3大不安「お金」「健康」「孤独」に対して、今からできる具体的な対策を教えてくれました。明るく穏やかな老後を迎えるためのヒントが満載です。
読者のお悩み:ひとり暮らしで老後が不安。この先、明るく過ごすには
6年前に離婚し、今は子どもも独立してひとり暮らし。フルタイムで働いているものの年金も不十分なうえ、少し前に体調を崩したこともあり、老後を考えると不安になります。心穏やかに明るく暮らしたいです。(Fさん・55歳)
専門医の回答:お金・健康・孤独の不安に負けない地固めを
老後の3大不安は「お金」「健康」「孤独」といわれています。今、できることにフォーカスして不安に備えましょう。 まずひとつ目の不安が「お金」です。今後必要になるお金をざっくり試算し、今ある資産でたりない場合は、不足分を補う方法を考えましょう。大きな借金や浪費がなく、相談者さんのようにフルタイムで働いていれば、年金が少なくても多くは解決できる問題だと思います。 そしてふたつ目が「健康」です。閉経後は女性ホルモンがほとんど分泌されなくなる影響で、高血圧・脂質異常症・動脈硬化・糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まります。基本の対策は健康診断を定期的に受けること。年々数値が悪くなる項目があれば、それは要注意のサインですから、リスクを上げるような生活習慣を見直し、運動習慣をもつことが大切です。 また50代からはがんの罹り患かん率が上がります。50代以降の女性に多いがんは乳がん、子宮体がん、大腸がんです。もしがん家系であれば用心を。いつもと違う不調を感じたら、放っておかないで早めに医療機関を受診するようにしてください。
困ったときに支え合える人間関係を身近に築いて
最後の3つ目が「孤独」です。突然ですが、皆さんは緊急連絡先に書ける人は何人いますか? 今はご主人や子どもと住む人であっても、女性の場合、ゆくゆくは相談者さんのようにひとり暮らしになることは珍しくありません。そんなときに頼りになるのが、お互い助け合える人間関係です。遠くに住む息子さんよりも、近くにいる気心知れた知人の方が心強い存在になるのではないでしょうか。 50代は気力も体力もある世代です。コツコツと働き、健康に留意し、周囲とコミュニケーションをとり良好な人間関係を築く。これらの積み重ねが不安を払拭し、穏やかで明るい老後を支えると思いますよ。関係です。遠くに住む息子さんよりも、近くにいる気心知れた知人の方が心強い存在になるのではないでしょうか。
ESSE編集部