39県の「宣言」解除 安倍首相が会見(全文1)残る8都道府県も21日めどに評価
世界は100年に一度の危機
世界的な感染の広がりにはまったく終わりが見えません。世界経済がリーマンショックとは比較にならない、まさに100年に一度の危機を迎えています。世界的な大企業すら大きなダメージを受けています。そうした中で連鎖倒産という事態は絶対に防がなければなりません。大企業から中堅、中小企業に至るまで資金繰り支援のさらなる充実に加え、必要があれば機動的に十分な規模の資本性の資金を投入することも可能とし、事業の存続を強力に下支えします。 中小・小規模事業者の皆さんには使い道がまったく自由な現金を最大200万円お届けする、持続化給付金の受け付けを今月1日から開始しています。手続きを徹底的に簡素化し、1週間後から入金をスタートしました。この1週間だけで8万件余りの中小企業・個人事業主の皆さんに合計1000億円を超える現金をお届けしています。月末の資金繰りを乗り越えていただくため、実質無利子、元本返済最大5年据え置きの融資を実行していくことと併せ、いっそう加速していきます。その上で、感染症の影響が長期化していることも踏まえ、家賃負担を軽減するための給付金も新たに創設いたします。さらには感染防止措置など、次なる事業展開を応援する最大150万円の補助金など、あらゆる手を尽くして地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんの事業継続を力強く後押ししていきます。
自治体への交付金も大きく充実
自治体による感染症対策を支援する交付金も大きく充実します。拡充します。自治体と緊密に連携しながら、次なる流行の波をできる限り起こさないように、そして仮に起きたとしても、その波をできる限り小さくするように、万全の備えを固めていきます。医師が必要と判断した場合には直ちに検査を実施していく。昨日、薬事承認した抗原検査キットは、その大きな武器となるものです。抗原検査は多くの皆さんが病院で受けたことがあるインフルエンザの検査と同じ仕組みです。最大6時間を要するPCR検査と異なり、わずか30分ほどで結果が分かるため、医療現場で簡便に陽性判定を行うことができます。ウイルスが多い場合にはPCR検査と同等の検出感度があります。感染力の高い人を早期に見つけることで感染拡大の防止に大きな効果が期待できます。来月には1日当たり2万人から3万人分の検査キットを供給できる見込みであり、従来のPCR検査と組み合わせながら、量においてもスピードにおいても検査体制を強化していきます。 PCR検査についても、唾液を使った検査の実用化を加速します。鼻の奥から検体を採取するこれまでのやり方と比べ、検査に従事する皆さんの感染リスクを大きく軽減し、検査件数の増大にも寄与すると考えます。あらゆる手を尽くして、医師が必要と判断した皆さんに、スムーズに検査を実施する体制を整えることで、市中感染の広がりをできる限り抑えていきたいと考えています。 重症者への治療薬として承認したレムデシビルは国内の重症者治療に必要な量を確保し、医療機関における投与が始まっています。アビガンについても有効性が確認されれば、今月中の承認を目指します。さらにはフサン、アクテムラ、イベルメクチン、いずれも日本が見いだした薬です。別の病気への治療薬として、副作用なども判明し、それを踏まえて処方すれば安全性は確認されています。すでに臨床研究や治験を進めていますが、この感染症への有効性が確認され次第、早期の薬事承認を目指す考えです。それぞれの薬の長所が異なることから、これらをうまく組み合わせることでさらなる治療効果も期待できます。感染爆発を起こすことのないよう、流行の波をできる限り小さくし、また、後ろに遅らせる中で有効な治療法を1日も早く確立したいと考えています。