親である私は「教育ローン」を利用し、息子には「奨学金」を借りてもらうか検討しています。そもそも2つも教育資金を借りられるのでしょうか?
教育資金を全額自己負担でカバーできないような場合、教育ローンなどは資金準備のための手段の一つとなります。奨学金には返済不要なもの(給付型奨学金)もありますが、返済が必要な奨学金(貸与型奨学金)は、教育ローンと同様に借金となります。教育ローンと貸与型奨学金を同時に利用することができるのか、本記事で解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
教育ローンと貸与型奨学金を同時に利用することは可能
結論からいえば、教育ローンと貸与型奨学金を同時に利用することは可能です。ただし、それぞれには利用条件がありますので、それらの条件を満たしていることが前提となります。 教育ローンは銀行などの金融機関、貸与型奨学金は日本学生支援機構や自治体などからの借り入れとなりますが、利用条件には例えば図表1のようなものがあります。 図表1
出典:(株)三井住友銀行「教育ローン」、(独)日本学生支援機構「第二種奨学金」より筆者作成
教育ローンと貸与型奨学金の違い
教育ローンと貸与型奨学金の大きな違いは、「誰が借主になるか」という点です。教育ローンは多くの場合、親が借り入れを行い、返済していきます。貸与型奨学金は、学生本人が借り入れを行い、返済していきます。その他にも、図表2のような特徴の違いがあります。 図表2
筆者作成 なお、金融機関などが提供する教育ローンは、社会人が自身の学び直しのために、学校に通う際などにも利用できます。
両方を同時に利用するに当たって注意すること
教育ローンと貸与型奨学金の両方を同時に利用する際には、総額が将来の返済能力を超えないように、慎重に計画を立てる必要があります。そのためには、 両方を借りた場合の月々の返済額や利息の総額をあらかじめ計算して、家計に負担がかかりすぎないか、確認することが大切です。
他の選択肢も検討しましょう
教育資金を準備するに当たり、経済的負担を軽減するために、教育ローンや貸与型奨学金の利用以外にも以下のようなものが利用できないか、検討するようにしましょう。 ●返済不要の給付型奨学金の利用 ●大学などで実施している学費免除や減免制度 また、学生本人も学業に支障が出ない範囲でアルバイトなどの収入を得ることができないか検討するとよいでしょう。
まとめ
教育ローンと貸与型奨学金は両方を同時に利用することは可能です。それぞれの違いや条件をよく理解し、家計全体の負担や将来の返済計画をよく考慮したうえで、適切な選択を行いましょう。 出典 株式会社三井住友銀行 教育ローン 独立行政法人日本学生支援機構 第二種奨学金(有利子で借りる) 独立行政法人日本学生支援機構 大学等で受ける第二種奨学金の家計基準(在学採用) 執筆者:小山英斗 CFP(日本FP協会認定会員)
ファイナンシャルフィールド編集部