郊外の大学が、都心の近くへ移転 新しい学食・トイレ…東洋大の学生が語るメリットとデメリット
鑓水さん 施設や設備が新しいのも快適です。それに、特徴的なのはトイレ。多様性を意識したつくりになっていて、男性用トイレの表示は青色、女性用は赤色というような色分けがされていないんです。例えば1階のトイレは男女ともに赤色、2階は同じく青色というようにフロアカラーに統一されているので、男性用か女性用かは表示で見分けなくてはいけないのですが、まだ慣れなくて。赤だと無意識に女性と判断して、男性用トイレに入りそうになることがあります(笑)。 布施さん 朝霞キャンパスのトイレはきれいだし、女性としては生理用品が常備されているのもいい。いざというときも安心です。 鑓水さん 敷地も広くてきれいなので、講義の合間に芝生で寝転んでリフレッシュしたり、友達とおしゃべりしたり。ギターを弾いている人がいたりして、キャンパスライフを満喫しています。
――校舎が新しくなったことで、いい影響はありましたか。 布施さん 講義棟の大教室に、メインスクリーンとは別に個別のモニターがつきました。板倉キャンパスでは、メインしかなかったので見にくかったですが、今は目を凝らさなくても見られるのでストレスが減りました。 鑓水さん 授業で使う調理室も最高です。調理台が広く、高くなったので、実習で食材を切る時にも腰が痛くならないし、レンジやオーブンも新しくて、やる気が出ます。 布施さん 図書館も板倉キャンパスでは奥まったところにあって行きにくかったのですが、今はキャンパスの入り口近くにあって開放的なので、ふらっと寄れるようになりました。1年の時よりは図書館に行って調べようと思えるし、実際に行く機会が増えました。 鑓水さん 教室のほかに勉強ができたり、相談できたりするスペースが増えたので、レポートを書く時にすぐ友達と相談したり、わからないことを教えあったりできて便利です。学校周辺のお店もたくさんあるので、帰りにみんなで勉強して帰ることもあります。都心にも近くなったので、夏休みの間にインターンシップに参加してみようと調べているところです。 ――理工学部現・生命科学部生体医工学科が再編によって同じ朝霞キャンパスになりましたが、いい影響はありましたか。 鑓水さん 生命や食、生きることに関する学部学科が朝霞キャンパスに集まったので、いろいろな話が聞けます。同じ器具を使って、似たような実験をしていても、目的や視点が違うと結果が違うことを知ったり、意見交換ができたりして面白いです。 布施さん 違う学部の学生から話を聞いて「へえ~」と思うことは、結構ありますね。 ――逆に移転によってデメリットを感じたことはありますか。 布施さん 私自身はまったくありません。栃木や茨城の実家から通っている人たちの通学時間が延びた、という話は聞きます。 鑓水さん 家賃が高くなったことくらいでしょうか。それから、部屋の広さは板倉のときより狭くなりました。あとは引っ越し費用がかかったこと。親には負担をかけてしまったと思いますが、私の通いやすさを優先して、大学の近くに住まわせてくれた親には感謝しています。移転の話があってもなくても、私はこの大学のこの学部に入りたかったので、キャンパス移転はプラスアルファでラッキーという感じです。 キャンパス移転は、学生にとって魅力的であることは確かなようです。しかし、人によっては、一人暮らしの家賃や生活費の上昇など、親の負担が増える可能性があります。移転計画の有無について事前に調べておくことや、移転した場合のメリット・デメリットを考えておくことが必要です。今回話してくれた二人も、キャンパス移転の予定がある場合、親との話し合いは大切だと口をそろえて話していました。
朝日新聞THINKキャンパス