行間から「大人の事情」を読み解く?『四季報オンライン』人気コラムニストが実践する『四季報』活用術
「秋号」は、「お宝銘柄」の宝庫!?
株式投資のバイブルと呼ばれることもある『会社四季報』。だが、投資ビギナーが読みこなすには、ハードルは高い。そこで、株式投資講座のカリスマ講師であり、『四季報オンライン』の人気コラムニストの藤川里絵さんに、読み方のコツと、最新号から注目銘柄をピックアップしてもらった。 【銘柄公開】「配当金収入」月45万円・20年で〝億り人〟に…億リーマンの「株で稼ぐ技」 ◆これまで、年間の損益で負けなし…『四季報オンライン』の人気コラムニストが自己資金で実践 ◇藤川 里絵(ふじかわ・りえ) 株式投資講師 【PROFILE】 日本最大のファイナンシャル教育機関である「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」「株式投資スクール」など、多数の講座を担当。個人投資家としては、’09年より株式投資を始めて、5年で自己資金を10倍に増やす。これまで、年間の損益で負けなし。著書は、『世界一楽しい! 会社四季報の読み方 小説のようにハマり、10倍儲かる!』ほか。また、YouTubeで『藤川里絵の女子株チャンネル』を放送中。 ◆「株式投資のバイブル」と呼ばれる理由 『会社四季報』(以下、四季報)は、国内の全上場企業の情報をコンパクトにまとめた一冊だ。各企業の事業内容や財務状況、株主情報といったデータに加えて、担当記者による業績予想や企業動向に関する記事が記載されている。この独自の業績予想や記事が数多くの投資家に支持され、「投資家のバイブル」とも言われている。 四季報は、年4回の発行で、「春号」は3月発売、以下同様に、「夏号」は6月、「秋号」は9月、「新春号」は12月の発売となっている。但し、ほぼ新書サイズのB6判1ページに、2つの企業のデータや記事が上下にビッシリと書き込まれ、全体では2000ページを超えるボリューム。貴重な情報が詰め込まれているとはいえ、実際に読みこなすには相当な時間が必要で、なかなか手が出せないという人が多いのではないだろうか。 そこで、四季報に関する著作もある藤川里絵さんに、投資ビギナー向けの読み方のコツとともに、最新号から注目銘柄を選んでもらった。 ◆見出しや行間に担当記者の本音が……「四季報」はどこを読めばいいのか? まずは読み方のコツから。詰め込まれたデータの中で、注目してほしいのは次の2つだという。 「四季報のウリは、なんといっても業績予想と記事欄です。特に〝面白い〟のが記事欄。わずかな文字数で書かれているのですが、見出しや行間に担当記者の本音が見え隠れしています」(藤川さん/以下同) 記事欄は、わずか170文字のスペースで、企業の重要なニュースや動向が書かれている。2つのトピックからなり、前半は企業の業績動向、後半は注目材料という構成だ。一見、いずれも客観的な事実のみが記述されているように見受けられるが……。 「前半の業績動向については、通常、〝続伸〟や〝最高益〟あるいは〝反落〟といった事実を表している見出しがほとんどですが、後半部分では、〝虎視眈々〟や〝予兆〟といった、すぐには意味がつかめない見出しになっていることがあるんです。 これは私の推測ですが、大人の事情とでもいうのでしょうか、直接的な表現が使えない内容を伝えようという、なんとか意図を汲み取ってほしいという、記者の思いが込められていると考えています。 記者の地道な取材に裏付けされた、会社の核心に迫る評価や分析が、こうした見出しや行間に滲んでいるのです。気になる見出しが出てきたら、まずはそこから読むという手もアリです」