ドジャースの大勝は"59年ぶり"の球団記録 PS完封試合では最大得点差で「逆王手」
ドジャースがポストシーズンの完封勝ちでは、球団史上最大得点差となる大勝で地区シリーズ突破へ逆王手をかけた。1勝2敗と負ければ敗退の崖っ縁で迎えた10月9日(日本時間10日)の第4戦。元広島の先発ライアン・ブレイシアから計8投手が無失点でつなぎ、打線は12安打8得点。8-0の快勝でシリーズを2勝2敗のタイに戻した。 【動画】負けられない一戦!大谷翔平が右前適時打を放つシーン 1回、ムーキー・ベッツの2試合連発となるソロが、バックスクリーン左のパドレスブルペンに飛び込んだ。この一発が号砲となった。2回には2死一三塁から、大谷翔平が一二塁間を破る適時打で追加点。一塁ベース上から味方ベンチへ向かって「カモーン!」と声を張り上げ、鼓舞した。次打者のベッツも右前適時打で続き、リードを3点に広げた。 3回にもウィル・スミスの2ランが飛び出すなど、その後も手を緩めず。前日に更新した球場最多観客動員を2日連続で更新する4万7773人のパドレスファン一色で埋まった敵地ペトコ・パークを、完全に黙らせた。 ドジャース専門メディア『Dodger Insider』によると、チームがポストシーズンで完封勝利した試合の8点差は、1965年のツインズとのワールドシリーズ第5戦での7-0勝利を上回り、球団史上最大得点差になったという。 「前回の7-0勝利はサンディ・コーファックスが一人で投げ抜いたが、今晩は8人の投手たちが継投で完封を果たした」 投手に関しては対照的なスタッツを、同サイトは伝えた。1965年の第5戦は先発のコーファックスが9回4安打無失点、2桁の10奪三振という快投をみせた。打線も14安打7得点の大量援護。当時のチームはこの勝利で3勝2敗と王手をかけ、第7戦の末に4勝3敗で2年ぶり4度目のワールドシリーズ制覇を果たした。コーファックスは中2日で投げた第7戦でも3安打10奪三振で2試合連続完封を果たし、シリーズMVPに輝いた。世界一を呼んだ「吉兆」とも言える大差勝ちだ。 3度のサイ・ヤング賞に輝き、球団史に残るレジェンド左腕とは異なり、今回は後がないチームを8投手の必死の継投が救った。自ら2ランを放ち、マスクをかぶっては完封リレーに導いた捕手のスミスは同サイトの取材に「今日の彼らは全員が素晴らしかった。ストライクゾーンを攻めて打者を打ち取り、9個のゼロを並べた。今晩はどうしても勝たなければいけなかった。彼らのおかげだ」とブルペン陣全員を称えた。 11日(日本時間12日)の第5戦、ドジャースの先発はまだ発表されていない。第1戦先発で中5日の山本由伸、第2戦先発で中4日のジャック・フラーティが控えるが、デーブ・ロバーツ監督は明言しなかった。この夜のように、救援投手でつないでいくブルペンデーとなる可能性も否定はしていないという。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]