新型コロナワクチン「定期接種」10月1日を目途に開始 “自分を守るために”接種の検討を
厚生労働省が決定した方針への受け止めは?
編集部: 厚生労働省が決めた方針について受け止めを教えてください。 小幡先生: 2024年4月以降は公費負担が全廃され、治療薬の窓口負担が1割から3割に引き上げられることになりましたが、この方針転換について一定の理解はできます。新型コロナウイルスが流行初期ほど深刻な状況ではなくなってきたことを踏まえれば、公費負担を段階的に縮小し、個人の自己負担を増やしていくのは妥当な対応だと考えられます。 ただし、重症化リスクのある人や低所得者層への配慮も重要であると感じます。ラゲブリオやゾコーバなどの治療薬について、3割負担では患者の経済的負担が大きくなる可能性があります。特に、重症化リスクの高い人たちが必要な治療を受けられなくなるようでは本末転倒です。そのため、重症化リスクの高い人や低所得者層に対する公費負担の継続、窓口負担の軽減措置の検討など、患者側の経済的負担を最小限に抑える取り組みが求められます。また、新型コロナウイルスの感染動向を注視しつつ、必要に応じて公費負担の復活や自己負担割合の見直しなど、柔軟な対応も検討すべきだと考えます。 総じて、新型コロナウイルス対策の方針転換に一定の理解はできますが、患者側の経済的負担軽減と感染症対策の両立が重要だと受け止めています。厚生労働省には、この点に十分配慮した対応を期待したいと思います。
編集部まとめ
厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの定期接種について、10月1日を目途に接種を開始する方針を決めました。定期接種の対象は、65歳以上の高齢者、60~64歳の重症化リスクが高い人です。それ以外の人がワクチン接種をする場合は原則自己負担となるので、注意が必要です。
監修医師:
小幡 史明 先生(医師) 自治医科大学医学部卒業 / 現在は医療法人静可会三加茂田中病院、医療法人在宅会 みんなのクリニック勤務 / 専門は総合診療科、腎臓内科、感染症科