「自分らしく自由に生きられる人生を」歯科技工士から革職人に転身した女性に迫る
「自分らしく、自由に楽しく生きられる人生を歩みたい」 そう語ってくれたのは、滋賀県長浜市で革や木材、麻、籐などの自然素材を使った小物ショップ『n.liko(エヌ・リコ)』を経営する藤田能理子さん。 【写真10枚】自宅兼アトリエ内の棚には多くの種類の革製品が陳列してあった 藤田さんは現在、江北図書館Lib+内の『つるやカフェ』にてカフェの店員をしながら、珈琲豆の焙煎もこなす革職人です。将来的には革職人を本業とし、今以上に楽しく生きていきたいといいます。 今でこそ自由に楽しく生きている藤田さんですが、これまでの人生には紆余曲折がありました。生き方を大きく変えたきっかけは、34歳のときに経験した離婚だったそうです。 人に合わせて生きてきたそれまでの自分を変え、やってみたいと思ったことには挑戦するようになったとのこと。自分から外の世界に出ることで人とのつながりも増えたといいます。 今回は『n.liko』の藤田さんに、現在の活動の様子やこれまでの経緯について詳しく伺いました。
自然素材を使用した作品はリピーターも多い
藤田さんの現在の仕事は革職人であり、珈琲豆の焙煎も手掛ける職人です。勤務している『つるやカフェ』では、藤田さんが手網焙煎した珈琲と革小物の販売をしてます。江北図書館とコラボ製作した本革の栞(しおり)は、本好きの図書館利用者に人気です。 革職人としての仕事は、自転車用アイテム、ウクレレ用アイテムをメインに、財布やバッグ、イヤリングなどのアクセサリーも製作しています。 「土に還る」自然素材へのこだわりを感じる作品ばかりです。 ショップ名の『n.liko』は「nature:自然」の頭文字「n」とハワイ語の「若葉」を意味する「liko」を組み合わせたものです。 「素材や作品の用途を考えると、アイデアが『若葉』のようにぱぁ~っと頭に思い浮かぶので『liko』とつけました」 本名の『能理子』とかけたのか尋ねたところ、ショップ名を考えた後に本名の『能理子』とも読めることに気づいたそうです。 藤田さんが革小物製作に使用する素材は、牛革やピックスウェード、馬革などの革だけでなく、檜や桂、トチの木などの木材、籐や帆布などの自然素材です。しかし、芯材や糸などは、耐久性を保つためにナイロンを使用する場合もあります。 ウクレレのストラップや自転車用品は、素朴なデザインでありながら使いやすさを重視している点が人気です。商品の良さを理解したリピーターも多いといいます。