【厚生年金】入社して30年、平均標準報酬額は「35万円」です。老後は月額いくら年金を受給できそうですか?
不明点が生じやすい「年金の計算」でシミュレーション
年金は制度が何度も改定されているため、不明点が生じやすいもの。なかでも特にわかりにくくなっている「計算方法」を紐解いていきましょう。 ねんきん定期便に記載されている金額については、今までのデータを反映しています。 ●「老齢厚生年金」の計算方法とは 厚生年金は、以下の両方(A+B)を合計したものです。 ・A:2003年3月以前の厚生年金の加入期間平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 2003年3月までの加入期間の月数 ・B:2003年4月以降の厚生年金の加入期間平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 2003年4月以降の加入期間の月数 「平均標準報酬月額」とは、2003年3月以前の加入期間について、計算の基礎となる各月の平均標準報酬月額(給与)の総額を2003年3月以前の加入期間で割った額のこと。 一方で「平均標準報酬額」とは、2003年4月以降の加入期間について、計算の基礎となる各月の標準報酬月額(給与)と標準賞与額の総額(ボーナス)を2003年4月以降の加入期間で割った額を指します。 ちなみに、2003年に「総報酬制」が導入されるまではボーナスからも厚生年金保険料が引かれながら、受給する年金額に反映されていませんでした。 2003年4月以降、乗率が変更されてボーナス分もしっかりと年金額に反映されるようになりました。 ●「老齢基礎年金」の計算方法(20歳から60歳までに払った保険料に対して反映) 老齢基礎年金の年金額を計算するときに「保険料免除・納付猶予」の承認を受けた期間がある場合は、保険料を全額納付した場合と比べて年金額が低額となります。 ・全額免除 = 対象月数 × 全額納付した場合の年金額の1/2 ・4分の1納付 = 対象月数 × 全額納付した場合の年金額の5/8 ・半額納付 = 対象月数 × 全額納付した場合の年金額の6/8 ・4分の3納付 = 対象月数 × 全額納付した場合の年金額の7/8 また、以下の計算式が用いられます。 81万6000円(2024年度)×(保険料納付月数+免除分)/ 480月 計算の概要を確認したところで、今回の相談者であるCさんの具体的な例を見てみましょう。