大学1年生です。親に仕送りで負担をかけないためにバイトを掛け持ちしています。扶養は外れたくないのですが、年間いくらの収入まで大丈夫ですか?
バイトをしている学生のなかには、所得税の支払いや親の扶養控除を気にして年収額を調整している人もいるでしょう。今回のケースのように、親の仕送り負担をなくそうとバイトを掛け持ちしている場合、年収額が高くなって、税制上の負担が増えることになりかねません。 本記事では、バイトをしている学生が、親の扶養から外れないために意識したいポイントを解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
扶養控除とは
最初に親の扶養控除についておさらいしておくと、扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に一定金額の所得控除が受けられる制度です。財務省によれば、控除額は子どもの年齢に応じて以下のように変わります。 ・16歳以上19歳未満(一般の控除対象扶養親族):38万円 ・19歳以上23歳未満(特定扶養親族):63万円 仮に今回のケースの大学1年生が19歳以上23歳未満である場合、特定扶養控除が適用されると、63万円が親の所得から控除され、節税効果が期待できます。
親の扶養から外れる年収は「103万円超」
前述の扶養控除を受ける条件のひとつに、扶養を受ける人の合計所得金額が定められています。国税庁によれば、その条件とは「扶養を受ける人の合計所得金額が年間48万円以下であること」です。収入から特定の控除額などを差し引いて残った額が48万円以下なら、扶養控除対象になります。 今回のケースでは、掛け持ちしているバイトが収入源とのことですが、給与収入を受けている人が適用できる控除は「給与所得控除」です。同じく国税庁によれば、収入金額が162万5000円までの給与所得控除額は55万円です。 年間103万円をバイトで稼いだ場合、ほかに収入がなければ、55万円の給与所得控除を引いて、所得金額は48万円になります。年間102万円の稼ぎなら所得金額は47万円です。いずれのケースも「48万円以下」という扶養の条件に合致します。 一方年間104万円稼ぐと、所得金額は49万円となり扶養の条件から外れてしまいます。この場合、親は63万円の控除を受けられなくなり、その分税額が増えかねません。 そのため、親の扶養から外れたくなければ、年間で103万円以内、月あたり約8万5833円以内に収入をコントロールする必要があるでしょう。