独立して感じた厳しさとおもしろさとは、30代マーケターのリアル
最初に当たる壁
独立して最初に大変なことは、やはり自身の稼働を埋めるための営業活動です。雇われていると、極論休んでいても一定収入はありますが、独立すると仕事がなければ無収入。仮に月50万円の業務委託契約を2つで稼働していたとしても、1つが急に今月で終了ですとなると翌月から急に収入は半減します。
案件を分けてリスクを分散させるか、多少稼働が空いても問題ないぐらいまで日頃から単価を上げておくしかありません。どれだけ順調に稼働をしていても、常に現在以降の数ヶ月の状況を考慮して、新たな営業先の目星を付けておかなければならないわけです。 私の場合、幸いにも今まで構築してきた関係性や、日頃からSNSなどで情報発信をしていたこともあり、空いているので仕事をくださいと発信をすることをきっかけにご連絡をいただくことがしばしばあります。それでも日々新しい関係の構築をしたり、知人同士で状況の共有を目的に食事したりなどの交流機会を作ることが、独立してからめちゃくちゃ増えました。発信力と営業力、特に懐に入り込むコミュニケーション能力は、なんだかんだ独立するうえで一番重要なスキルなんだなと感じます。
目指すポートフォリオ
独立後最初の数か月は、いろいろな企業と関係性を作るため、比較的小規模またはショートな業務委託をさまざま請け負いました。おそらく、こういった働き方をしないと携わらなかっただろうな、という業界の仕事もあり、新たな経験という観点でも貴重だったと感じます。
自分で営業をして仕事を取っているというと、好きな仕事を選べるとか、嫌な仕事だったら自ら終えられるとかのように、自由度が高いように思われるかもしれません。しかし、少なくとも約束している業務範囲や契約期間においては確実に遂行しないといけないですし、辞めるなら辞めるで、結局新しく別の仕事を持ってこないといけないので、正社員と比べて自由だという感覚はありません。
いずれにしても、この先半年、1年でどのような仕事をするか、そのためにどのようなスキルや関係性を持っておく必要があるか、企業所属のときより更にシビアに考え、行動する必要があります。そういった点では、正社員時代のほうが考えるスパンが長くても良かったので、気楽だったなと今では思います。 一人法人をやっている限り、そして業務委託として他社を支援している限りは、自身が事故などで働けなくなったり、クライアントとの関係性が急に終了したりする可能性があることが懸念点です。 そのような観点から、今は業務委託で足元の売上げを確保しつつ、自社で一定の投資を行い、プロダクト(事業)を作ることに注力しています。今年、来年を通じてサービスインし、安定して収益を上げられるようになれば、自分自身の労働集約モデルから抜け出し、新たなチャレンジや携わりたい業界の仕事により没入していけるのではないかと思い、今から気合を入れています。