脂肪ゼロなのに塩分は2倍…栄養学の専門家が指摘する「生野菜×ノンオイルドレッシング」の意外な落とし穴
■美味しく食べられて、栄養素を吸収しやすい 一度にたくさんの野菜をとれるのも、みそ汁やスープのメリットです。みそ汁やスープは、入れる野菜の種類が増えるほど深みと味わいが増します。肉や魚、卵を加えれば、たんぱく質もいっしょに摂取でき、コクやうま味が増します。 具だくさんにして汁の量を減らすと、その分使用するみその量が減って、減塩にもなります。さまざまな食材からのうま味の相乗効果によって、薄味でもおいしくいただけるでしょう。 また、野菜に含まれる栄養素は細胞壁という固い壁に守られているため、生のままではからだに吸収されにくいことがあります。でも、みそ汁やスープであれば煮込む過程で細胞壁がやわらかくなって栄養素を吸収しやすくなります。細胞壁は細かくきざんだりミキサーでつぶしたりしても壊せますが、煮込むほうが簡単です。 休みの日や時間があるときは、みそ汁やスープをぜひつくり置きしてみてください。忙しいときでも野菜不足を解消できて、重宝することうけあいです。みそ汁なら薬味を、スープならチーズやトマトをプラスすれば簡単に味変ができて、食べ飽きる心配もありません。ごはんやパスタを入れて、リゾットやスープパスタにリメイクするのもおすすめです。 汁ごと食べられるという点では、ポタージュやシチュー、鍋物もおすすめです。ただし、市販の鍋用スープは食塩が多いので注意しましょう。素材から出るうま味を生かして鍋のスープを手づくりすれば、スープも安心して飲めて栄養素を余すことなく摂取できます。 ---------- 林 芙美(はやし・ふみ) 女子栄養大学栄養学部 准教授 健全な食生活は、私たちの健康寿命を延ばすだけでなく、生活の満足感や幸福感を高め、さらには社会・環境面にも良い影響をもたらすという信念のもと、栄養面に加え、環境にも配慮した食生活のあり方について研究している。研究代表者として『人と地球の未来をつくる「健康な食事」実践ガイド』を作成し、科学的・実証的な食に関する知識を広め、健康で持続可能な食生活の実現に貢献している。『間違いだらけの「野菜」の食べ方』(青春出版社)を監修。 ----------
女子栄養大学栄養学部 准教授 林 芙美