脂肪ゼロなのに塩分は2倍…栄養学の専門家が指摘する「生野菜×ノンオイルドレッシング」の意外な落とし穴
■食塩摂取量の約7割は調味料から摂っている 厚生労働省の「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、私たちは1日に摂取する食塩のうち、約67%をドレッシングをはじめとする調味料からとっています。食塩の過剰摂取は生活習慣病のもとです。野菜をおいしく、たくさん食べて健康維持をしようとしていても、食塩をとりすぎてからだを悪くしては元も子もありません。 なるべく脂質をとりたくないという気持ちは理解できますが、ノンオイルタイプのドレッシングが必ずしも健康にベストな選択とはいえないことに注意してください。 もちろん、ノンオイルドレッシングを使うことが悪いわけではなく、他の調味料と同様、かけすぎに注意すれば問題ありません。 ■生野菜を食べるときはよく噛んだほうがいい 生野菜サラダでいうと、もう一つ注意してほしいことがあります。 食べ物に含まれる栄養素は、食べ物を構成する細胞のなかに閉じ込められています。肉や魚といった動物の細胞は、細胞膜に包まれています。 一方、野菜の細胞は細胞膜の外側にさらに細胞壁があります。しかも、この細胞壁は非常に強固で、生で食べた場合は細胞壁の一部しか破壊できず、中の栄養素を効率よく摂取できません。生野菜サラダばかりで野菜をとっていると、意外に栄養素がとれていない可能性もあるのです。 野菜の細胞壁を壊す方法は大きく二つあります。 一つは加熱です。野菜を加熱すると細胞壁がやわらかくなって壊れやすくなります。また、かさが減って量もたくさん食べることができます。 もう一つは破砕です。細かく刻んだりミキサーなどにかけたり、すりおろしたりすることで細胞壁を壊せます。生で食べる場合も、キャベツの千切りや玉ねぎのスライスのように細かく刻んで食べるようにすれば、野菜の栄養素をより効率よく摂取できます。食材を細かくきざんだチョップドサラダにすることもおすすめです。すりおろした人参やたまねぎなどでドレッシングを手づくりしてもいいでしょう。 そして、野菜を食べるときはよくかむことが大切です。よくかむと細胞壁の一部が壊れて栄養素を摂取しやすくなります。なにより、よくかむことでお腹がいっぱいになりやすく、食べすぎ防止にもつながります。