娘を通わせるべきは「女子校」か「共学」か?1000人のアンケートで判明した「女子校育ち」のある特徴
● 1000人を対象に 「女子校育ちの特徴」を調査 「女子校育ちっぽさ」って一体何なのだろう――? 女子校育ちの人は、「女子校で教育を受けた」ことの経験が、どこかに影響しているのではないか――? この問いの答えを出すべく、20代~60代の男女1000人を対象に、「女子校育ちの特徴」を調査するアンケートを実施(2022年調査)。 アンケートでは、年齢、性別、年収、婚姻状況、最終学歴、就業年数などの基本属性のほか、性格、性別役割分業意識、職場満足度、生活満足度、卒業学校の種類(女子校か男子校か共学か)など、「女子校育ち」であることが、個人にどのような影響を及ぼしているのかを焦点とした設問を立てました。 回答のうち、女性からの回答を基に、影響と女子校育ちの間の因果関係を分析する中で、「女子校育ちの特徴」が明らかになってきました。なお、本調査では、「高校の時に女子校に通っていた人」を「女子校育ち」と定義しています。 分析結果から導き出された中でユニークな特徴のひとつが、「女子校育ちは共学校育ちと比較し、職場で働くことについての悩みが少ない」というものです。 アンケートにおいて、職場でのネガティブな経験を問う以下の設問を設けました。 これまで働いてきた職場の中であてはまるものをすべて選んでください。 (1)同僚に負担をかけていると感じたことがある (2)同僚との交流関係が円滑でないと感じたことがある (3)同僚に対して劣等感を感じたことがある (4)過剰な期待・関心を寄せられたことがある (5)失敗が目立ちやすいと感じたことがある (6)目立つような発言や行動を控えたことがある (7)孤立を感じたことがある 上記に対する回答を、「女子校育ち」と「共学校育ち」の女性に分けて分析したところ、同僚との不仲、同僚への劣等感、孤独感、過剰な期待や関心へのプレッシャー、職場から求められてきた不適切な振る舞い(聞き役やフォロー役、男性社員より前に出ずに男性社員を立てる役回り、きめ細やかな心遣いなど)などについて、女子校育ちの女性は、共学育ちの女性と比較し、悩んだ経験が少ない傾向にあるという結果が出ました。 あくまでも主観による回答のため、本当に仕事や職場の人間関係などが順調なのか、職場で悩むべき問題がないのかといった、客観的な視点については今回の分析から判断することは難しいのですが、今回の結果は、さまざまな女子校が掲げている「キャリア教育」や「リーダーシップ教育」の成果のひとつかもしれません。 女子校で育ったことで、「女性だから……」という性役割にとらわれず、伸び伸びと働くことができている、ということも考えられます。本人が「社会で幸せに働いている」と感じられているのであれば、それは女子校で育ったことの大きな意義といえるでしょう。 このように書くと、全面的に女子校を支持しているように思われるかもしれませんが、あくまでも調査結果であり、アンケートを分析したところ、働く姿勢についてポジティブな結果が出たということです。 とはいえ、この結果は、今まで私がインタビューをしてきた起業家や管理職、はたまた、自分らしいキャリアを築いている、パワフルな女子校育ちの方たちの働き方や姿勢に合致しているように感じます。 職場を退職するということは、現状に何かしらの不満があるケースが多いと思います。転職によってキャリアアップできる人もいますが、望まない転職によってキャリアダウンするケースも少なくないと思います。職場環境をネガティブに捉えず、ポジティブに仕事と向き合おうとする「女子校育ちの能力」があれば、本人にとっても企業にとってもデメリットになるような離職は防げるかもしれません。女性の活躍がますます重要となるこれからの社会に生きる子どもたちに、身に付けさせたい能力の一つではないでしょうか。 ポジティブに仕事と向き合うことは、仕事における成功やキャリアアップの土台となると思います。それはきっと、女性リーダーとして活躍する人材へと成長する可能性を高めるはずです。
城山ちょこ
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