極寒のシェイクダウンはヒョンデのラッピが最速に。血気盛んな若手ふたりが追随/WRCチリ
9月26日(木)、2024年WRC世界ラリー選手権の第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』のシェイクダウンが行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヒョンデi20 Nラリー1)が全体ベストタイムを刻んだ。 【写真】チリの林道を駆け抜けるマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)/2024年WRC第11戦 シーズンは残すところは3戦となり、今季最後のグラベル(未舗装路)である今大会を皮切りに終盤戦に突入。最高峰クラスに参戦する各メーカーは、ヒョンデ・シェル・モービスWRTとMスポーツ・フォードWRTが3台を揃え、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のみが1台多い4台体制を敷いて臨んだ。 さらにクルーにおいては、TGR-WRTの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組がスキップとなり、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1にはサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組が乗り込んでいる。ほかにも、Mスポーツの3台目はマルティン・セスク/レナ―ル・フランシス組がドライブしており、こちらのフォード・プーマ・ラリー1はノン・ハイブリッド仕様(システムと同等重量のバラストを搭載)で初のラリー・チリに挑む。 サービスパークが設置されるのは、ビオビオ州の州都である『コンセプシオン』。南半球は春先ということで、現地は最高気温20度弱、最低気温は5度付近となり、この間までヨーロッパで行われてきたラリーよりもかなり低い気温での大会となる見込みだ。 週末最初の走行となるシェイクダウンは、気温4度の晴れ空のもと現地時間9時1分よりスタート。朝方の日差しに照らされた林道へ、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)から先頭にアタックを開始した。 各クルーを出迎える6.79kmのステージは、砂利交じりの赤土グラベルで、フラットな直線区間と中高速コーナーを繰り返すハイスピードな構成だ。 1度目のアタックで最速タイムをマークしたのは、2戦ぶりの出場となるカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)。3分22秒2を刻んだロバンペラは、「ルーズグラベルが多くて、かなりトリッキーなコンディションだ。ラリー中にはあまり多くないことを願いたいね」と路面状況を言葉にしている。 3.2秒差の2番手には、3分25秒4でマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)が続き、期待と注目を集める新星が早くもスピードを見せてくる。3番手にはエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけた。 ただ、昨年大会で激しいタイヤ消耗が見られたことからタイヤ温存を図ったか、いくつかのクルーは終盤に若干のペースダウンを行っている。 以降は各車、2~3度目のアタックを行って順調にタイムアップ。最終的な全体ベストタイムは、最初のロバンペラから10.6秒の短縮となった3分14秒8となり、今季2勝目を目指すラッピが一番時計を奪った。 同じく大幅タイムアップのセスクが2番手につけ、さらに3番手にはパヤリが続くかたちとなり、ふたりの若手が早くも期待に応える走りを見せた。 WRC2クラスは、ニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)が3分37秒2でクラストップ。さらに0.9秒差で続いたヤン・ソランス(トヨタGRヤリス・ラリー2)の背後には、ファブリツィオ・ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2)がつけるなど、開幕から3メーカーがしのぎを削るシェイクダウンとなった。 本格的な走行が始まるデイ1は、SS1からSS6までの全6本を予定。ステージの総走行距離は112.76km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は518.18kmだ。 [オートスポーツweb 2024年09月27日]