「意識高い系」で台頭したNewsPicksが直面する試練、戦線拡大で〝とがった記事〟が減少
▽会員数は無理に追わず、価値を認め合うコミュニティーに 新聞社やテレビ局といった伝統的な報道機関の多くは、スマホの普及など激変する環境への対応に苦慮する。ニューズピックスは、情報を視覚的に表現する「インフォグラフィック」という手法の積極的な採用や、視聴者を引きつける動画の配信で新たな地平を切り開いてきた。気鋭メディアの挑戦は、転換期を迎える業界の今後を占う試金石ともなる。 カーライルは投資から4~5年で企業の魅力を高め、再上場させるなどして株式の売却益を得るのが一般的だ。非上場化によって市場からの圧力がなくなったこの期間に、利用者を集めて経済を盛り上げるという媒体の価値に磨きをかけられるかどうかが問われる。 小倉氏は「利用者と一緒に日本の経済を盛り上げるとか、経済を楽しむというわくわく感を持ちたい。いろいろな知見を持っている人がコメントするような、価値を認め合うコミュニティーが理想だ」と指摘する。有料会員数は無理に追わず、長く愛用してくれる顧客を着実に積み上げる構えだ。