「かわいいし面白いから楽しい時間」三姉妹の長女を演じた江口のりこが語る、魅力的な家族のエピソード
姉妹で一緒にいる時間は本当に楽しかった
──映画では、姉妹として何十年といっしょにいるからこそだな、と思える会話のテンポに心地よさを感じました。姉妹を演じるうえでなにか気をつけた点や、話し合ったことはありましたか? もう、撮影中は絶対的にずっと一緒にいるわけですよ。現場に向かう車の中でも、待ち時間も一緒だし。そうするとね、別に何も話さなくても3人で1つみたいな感じが出るんです。「こんなふうにしよう」と話し合ったことなんて一度もなかったですけど、やっぱり橋口さんという大きな柱がそこにあって、3人ともそれをしっかり見て演じていくと、どうしたって同じ方向を向くことになるわけですよね。 このチーム感を作ってくれたのは監督だなと思いますし、3人一緒にいる時間は本当に楽しかったです。空き時間はどんな話したかなあ。とりとめもない話です。琴音ちゃんは食べ物の話が好きで、慈ちゃんがいちばんしっかりしてたかな。私は割とぼんやりしてましたね(笑)。
妹と過ごす面白くて楽しい時間
──江口さん自身も兄妹がいらっしゃいますが、今回演じた長女・弥生という役柄に共感した点は? 弥生と私は年齢もほとんど一緒だし、独身という状況も似ています。私と違うところは、母から何かを強要されていないという点かな。弥生は母に「こうしなさい、ああしなさい」と言われていたけれど、私は本当に自由にやらせてもらっています。ただ、妹に対して「お母さんにこうしてあげて」みたいに言っちゃうところは弥生と似ているかもしれない。 ──妹さんについ口出しをしてしまう。なぜそういうことを言ってしまうんでしょう? それはやっぱり、妹がしっかりしてないからですよね(笑)。まあ妹からしてみたら「お前が言うな」と思っているでしょうけど。家族って自分のことを棚に上げて、色々言っちゃいますから、難しいですよね。 ──たしかに。家族や兄妹との関わり方で、江口さんが心がけていることはありますか? ある程度、距離はあったほうがいいなと思いますね。家族だけれども別々の人間だし、別々の人生を歩んでいる。そのことを気に留めておかなくてはいけないなって。家族だからって何から何までやってあげたりするのは違うじゃないですか。 ──距離をとる。 たとえば、私は兄妹の中でも、住んでいるところが近いこともあって、特に妹とよく遊ぶんですよ。スーパーに行ったり、ご飯を食べに行ったり。で、妹と会うとやっぱりかわいいし、面白いから楽しい時間なんです。でも連日会いすぎると腹が立ってきます(笑)。