【30年後の年金支給水準は2割減に!?】現代シニアの「年金額」は月額いくらあるのか
先日、厚生労働省が公表した財政検証によると、30年後の年金支給水準は現在の2割減になる可能性があります。 ◆【見通し】過去30年の経済成長と同じペースで日本経済が成長した場合の30年後の年金支給水準は?経済成長率が高ければどうなる? ただし、そもそも現在のシニア世帯がどれくらい年金を受け取っているのか知らない人も多いでしょう。 そこで本記事では、現代シニア世帯が受け取る年金額を紹介します。現役時代の平均年収別にみた老後にもらえる年金額の目安も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
30年後の年金支給水準は2割減に
2024年7月3日、厚生労働省は財政検証の結果として、将来の年金の所得代替率の見通しを公表しました。 所得代替率とは、現役男子の平均手取り収入額に対してモデル夫婦世帯(専業主婦の妻と会社員の夫)が受け取る年金の割合を示します。 例えば、現役男子の平均手取り収入が月30万円で、モデル夫婦世帯の年金受給額が月15万円の場合、所得代替率は59%(月15万円÷月30万円)です。 2024年度における所得代替率は61.2%となっています。 財政検証によると、過去30年の経済成長と同じペースで日本経済が成長した場合の所得代替率推移の見通しは以下のとおりとなります。 ●将来の所得代替率の見通し(過去30年投影ケース) 年度:所得代替率の見通し ・2024年度:61.2% ・2029年度:60.1% ・2040年度:56.3% ・2057年度:50.4% ・2060年度:50.4% 所得代替率は徐々に減少し、2057年度に50.4%となります。その後は、一定の所得代替率が続く見通しです。現在の所得代替率と比較すると、約2割も支給水準が減少する計算となります。
現代シニアの「年金額」は月額いくらあるのか
将来的に年金の支給水準は減少する可能性が高いことを確認しましたが、そもそも現在のシニア世帯はどれくらい年金をもらっているのでしょうか。 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。 ●厚生年金受給者の年金受給額(国民年金+厚生年金) 年金受給額 割合 ・月額1万円未満 0.38% ・月額1万円以上2万円未満 0.10% ・月額2万円以上3万円未満 0.34% ・月額3万円以上4万円未満 0.59% ・月額4万円以上5万円未満 0.64% ・月額5万円以上6万円未満 0.96% ・月額6万円以上7万円未満 2.57% ・月額7万円以上8万円未満 4.30% ・月額8万円以上9万円未満 5.80% ・月額9万円以上10万円未満 7.03% ・月額10万円以上11万円未満 7.05% ・月額11万円以上12万円未満 6.47% ・月額12万円以上13万円未満 5.91% ・月額13万円以上14万円未満 5.79% ・月額14万円以上15万円未満 5.96% ・月額15万円以上16万円未満 6.21% ・月額16万円以上17万円未満 6.51% ・月額17万円以上18万円未満 6.62% ・月額18万円以上19万円未満 6.32% ・月額19万円以上20万円未満 5.69% ・月額20万円以上21万円未満 4.75% ・月額21万円以上22万円未満 3.56% ・月額22万円以上23万円未満 2.40% ・月額23万円以上24万円未満 1.58% ・月額24万円以上25万円未満 1.04% ・月額25万円以上26万円未満 0.64% ・月額26万円以上27万円未満 0.37% ・月額27万円以上28万円未満 0.21% ・月額28万円以上29万円未満 0.10% ・月額29万円以上30万円未満 0.05% ・月額30万円以上 0.08% 平均年金月額 14万3973円 *厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている 人によってかなり受給額に差はありますが、平均年金受給額は14万3973円です。 また、上記は現役時代に会社員や公務員として働いた経験のある厚生年金受給者が受け取る年金額です。 会社員や公務員経験がない人は厚生年金を受け取ることはできず、もらえるのは国民年金のみとなります。国民年金の平均受給額は月5万6316円です。 現代のシニア世帯も、決して高額な年金をもらえているわけではないことがわかります。