「そんなバカな」大手企業課長・43歳サラリーマン「年収1,000万円」を超えたのに…思わず二度見する「手取り額」
年収1,000万円を超えることは、多くの人にとって目標の一つです。しかし実際にその額に到達してみると、手取りが期待したほど増えない現実に驚くことも…。本記事では事例とともに、税金や社会保険料などについてみていきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
年収1,000万円に到達したが…給与明細を思わず二度見
高橋さん(仮名)43歳。大手企業で20年以上勤め上げ、ようやく待望の課長職に昇進し、ついに年収1,000万円を超えました。国税庁『統計年報書 令和3年度版』によれば、給与所得者の中で全国上位10%が年収1,000万円超となっており、高橋さんもこの上位層に仲間入りしたことになります。 昇進した高橋さんは、月々の給与が増えたことを期待していましたが、受け取った給与明細を、思わず二度見してしまいました。手取り額が思ったほど増えていなかったのです。 高橋さんが期待していた手取り額が増えなかった理由は、おそらく多くの方に実感のあるとおり、税金や社会保険料の増加にあります。 1. 累進課税制度による影響 日本の所得税は累進課税制度を採用しており、年収が高くなるほど税率も上がります。課税所得「695万円から899万9,000円まで」では税率23%(控除額636,000円)、「900万円から1,799万9,000円まで」では税率33%(控除額153万6,000円)。高橋さんが昇進し月収が増えたとしても、課税率が高くなるため、手元に残る金額は思ったほど増えないのです。 2. 社会保険料の増加 また、社会保険料も年収が上がるにつれて増加します。厚生年金や健康保険に加え、40歳以上の場合には介護保険料も含まれるようになり、年収1,000万円の人は年間120万円ほどとなる計算です。 年収1,000万円の場合、所得税や住民税、社会保険料などの総額は300万円前後となり、手取りは年間で約700万円~750万円。月々の手取りは約58万円~62万円となります。 厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』にも、大手企業課長職の平均月収は62.2万円、年収では1,038.4万円と記載があります。これは課長職としての責任や業務量を考えると、決して十分とはいえないかもしれません。
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