ポルシェは内燃エンジンを諦めない! 最新「911カレラ」後期型をマラガで試乗…日常使いの全域で乗りやすく進化していました
軽快な走りで街中を流しているだけで楽しい!
911初採用のエンジンスタートボタンを押すと、3Lフラット6が即座に目覚める。じつはこの試乗会に参加するにあたって事前に前期型のカレラ カブリオレに試乗しておいた。新型ではゆっくりと動きだすような場面でもトルクのつきがいい。また低速走行時もPDKがギクシャクするようなことはなく、フィーリングがより洗練されていた。最大トルクなどスペックだけを見ると変わっていないようにみえるが、聞けば新型では1500回転以下でも300Nmのトルクを発生し、それを超えるとすぐに最大トルクの450Nmを発生するようにチューニングされているという。 試乗車はオプションのフックスのデザインをオマージュしたフロント20インチ、リア21インチのホイールに、タイヤはピレリPゼロを装着していたが、乗り心地も良好でマラガ郊外の山岳路を軽快に走る。カレラクーペの車両重量は1520kg(DIN)なので、GTSクーペ(1595kg)と比べれば、やはり軽さを感じる。絶対的な速さではもちろんGTSには敵わないが、エンジンがレッドゾーンの7500回転まできっちり吹け上がる様や、勇ましいウェイストゲートの音が耳に飛び込んでくるたび気持ちが高揚する。 なんといってもカレラの魅力はこの軽快さにあると思う。サーキットに行かずとも市街地を流しているだけでも楽しい。日常生活にスポーツカーを取り込みたいのなら最適なモデルといえるだろう。スペックだけでは推し量れないが、単なるマイナーチェンジではなく、全方位でしっかりと進化させている。そこはさすがにポルシェの仕事というわけだ。
藤野太一(FUJINO Taichi)
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