ポルシェは内燃エンジンを諦めない! 最新「911カレラ」後期型をマラガで試乗…日常使いの全域で乗りやすく進化していました
全方位でしっかりと進化している
現行ポルシェ「911」の後期型(992.2)がついに登場。ベーシックモデルである「カレラ」も内燃エンジン車として全方位に進化を果たしています。さらに洗練されたその走りをスペインで試してきました。 【画像】後期型へと進化! ポルシェ「911 カレラ」を見る(全16枚)
パワートレインはエミッション低減を主眼に改良
2024年5月28日、2018年にデビューした現行ポルシェ「911」(タイプ992)の後期型(992.2)がデビューした。このタイミングで発表されたのは、ハイパフォーマンスモデルの「GTS」とベーシックな「カレラ」の2モデルだ。 911初のハイブリッドである「GTS」が大きく注目されているが、一方で「カレラ」は内燃エンジン車であり続けている。もちろん燃費の改善、CO2排出量の削減という課題はすべてのモデルにとって共通であり、カレラは従来の3L水平対向6気筒ツインターボエンジンをベースとしながら改良が加えられている。 まずエンジンの冷却性能をアップするために前期型「ターボ」用のインタークーラーを採用。そしてタービンは前期型GTS用のものに置き換えられた。これだけを見ると大幅にパワーアップしたように思うかもしれないが、スペック上における最高出力は394psと前期型に比べてわずか9psのアップ。最大トルクにいたっては450Nmと変更はない。カレラクーペの0-100km/h加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は3.9秒)、最高速度は294km/h。前期型比でそれぞれ0.1秒、1km/hの向上にとどまっており、これらスペック上の数字からは性能向上よりもエミッションの低減を狙った改良のように思える。
リアシートは無償オプションで選べるようになった
後期型カレラのフロントマスクからは随分とすっきりとした印象を受ける。じつは前期型ではエアインテークの上部に配されていたLEDドライビングライトがなくなっており、その機能は新しくなったマトリクスLEDヘッドライトに集約されている。またエアインテーク内は横桟が2本走るシンプルなデザインで、開口部を大きくとることで冷却性能を高めている。 リアでは、リアグリルに配されたフィンの数を、左右に5枚、計10枚と前期型よりも大幅に減らし、リアウインドウと一連のものに見えるデザインになっている。テールランプはポルシェのロゴを囲い込むようなデザインに、ナンバープレートまわりなどバンパーの形状も変更されている。 インテリアデザインは基本的に従来モデルを踏襲する。大きく変わったのは、メーターパネルに唯一残されていた中央のアナログゲージがなくなり、12.6インチのフルデジタルディスプレイになったこと。前期型では911伝統の5連メーターの表示にすると左右の端のメーターがステアリングにケラレる問題があったが、新型ではそれが解消された。 またディスプレイ全面をナビゲーションの画面にするなど7種類の表示から選択が可能だ。もうひとつは、スマートキーが標準になった前期型でも911ではノブをひねってエンジンを始動する伝統的な所作が踏襲されてきたが、一般的なスタート/ストップボタン式になった。それからGTS、カレラともにクーペボディのみリアシートがオプションになった。リアシートを省くことで約7kgの軽量化になるという。これはGTSの車両重量を少しでも抑えるための措置のようだ。使い勝手を重視するなら、購入時には無償オプションで後席ありを選択できる。
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