「助けて」と悲鳴 川に沈んだ女性を救助、中学生ら4人に感謝状
福岡県八女市の八女消防本部は、同市上陽町の星野川で9月に起きた水難事故で、人命救助に多大な貢献をしたとして、久留米市の中学生ら4人に感謝状を贈った。 4人は筑邦西中2年のバスケットボール部員、古賀悠真さん(13)、芭蕉響也さん(14)、古賀涼太さん(14)と、悠真さんの父で会社員の一也さん(40)。 同本部や4人によると、家族らと川遊びに来ていた9月23日夕、上流から「助けて」と悲鳴が聞こえ、流されている若い女性を目撃。女性が沈んだため、中学生3人が潜って足をつかんだが救出できず、一也さんが加勢に駆け付けた。 川は幅約17メートル、最深部は約3メートル。一也さんは川底に沈んだ女性の衣服をつかんで岸まで泳ごうとしたが、途中で力尽き、自身も流され始めたため、中学生に引き渡して岸に引き上げた。 女性は約100メートル流されていた。意識はないがわずかに呼吸がある。女性の体を起こして必死で声をかけ続けると、数分後に目を覚ました。4人は救急車の誘導や搬送補助でも活躍した。女性は一時入院後、体調を回復し退院したという。 同本部で9日、表彰式があった。「子どもたちが川に行こうと言っていなければ、助けられなかった命かもしれない。本当によかった」と一也さん。芭蕉さんは「最初は意識がなくて、怖かった。助かってうれしい」。悠真さんは「消防の仕事の大変さを感じた」、涼太さんは「救急隊ってかっこいいな。将来なりたい」と話し、消防職員らを喜ばせた。 (石黒雅史)