MSIの新型携帯ゲーミングPC「Claw 8 AI+」が、巻き返しを図るかも #IFA2024
まだまだわからないことが多いClaw 8 AI+
テストプレイできたのは「Hi-Fi Rush」の冒頭部分だけ。新しい画面はなかなか綺麗、最大500ニットのピーク輝度を備えます。カラフルなゲームですが、現代の携帯ゲーミングPCの実力を限界まで引き出すにはやや不十分なタイトルかなと。 Claw 8 AI+がどのようなTDP(熱設計電力)をサポートするのかはわかりませんが、MSIは米Gizmodoに対し、新しい効率的なチップのおかげで、より低いワット数でもしっかりとしたゲームプレイが可能になるはずだと述べました。MSIは、新しいIntel Core Ultra 7を採用するはずですが、7の中でも異なるGPU処理能力を持つ4種類が存在するので、どうなるかはまだわかりません。 この最新チップは、AMDやQualcomm(クアルコム)の最近のモバイルCPUよりもはるかに効率的であるとされています。次世代のノートPCでは、Core Ultra 200Vを搭載することで20~30時間のバッテリー寿命となることが伝えられています。Claw 8がAsus ROG Ally Xよりも長く稼働することを期待したいところですが、まだ推測の域を出ていません。 とりあえず、前機種と比べるとすべてが良さそうなClaw 8。ソフトウェアはどうでしょう。 MSIの最初の「Center M」は速度と操作性の両面でベストとは言いづらいものでした。MSIによると新しいCenter Mはまだテスト段階とのことでしたが、見た目は明らかに進歩しているように思います。ゲームを選択すると、画面全体にゲームのビジュアルが広がるという演出もあります MSIは、XboxアプリのFPSトラッカーやゲームキャプチャをCenter Mに直接統合しています。携帯ゲーミングPCにおけるWindows 11の問題をどれだけ上手く解決できるかはまだわかりませんが、現存するどのWindowsベースの携帯ゲーミングPCもなかなかこれだと思えるUIを提供していないことも事実。LinuxベースのSteam Deckにそこは軍配があがりそうです。 IFAでAMDは新しいRyzen Z2 Extremeチップを開発中であることを発表しました。ROG Ally、Lenovo Legion Goなどの携帯ゲーミングPCはZ1 Extremeを使用しており、当然Z2を搭載する動きが予想されます。 AMDの幹部はDigital Trendsに対し、いくつかの最近のタイトルでバッテリー寿命がはるかに向上していると述べましたが、まだ詳細は伏せられています。 AMDは来年初めにZ2 Extremeについてさらなる情報を発表するでしょう。ホリデーシーズンに新しいデバイスを購入しようとしている人には、何を買うか、あるいは待つべきか、頭を悩ませることになるかもしれません。 とりあえず現状では、価格を気にしない人にはAlly X、あるいはとにかく使いやすいものを求める人にはSteam Deckをおすすめしますが、Intel Core Ultra 200Vの実力が実証されていけば、MSIへの注目も高まるでしょう。 MSIが他社製品に対して競争力のある価格設定を行うことができれば、Clawにとっての巻き返しのチャンスになるかもしれません。
小野寺しんいち