電子レンジと冷蔵庫のアース線を同じ端子に取り付けています。これって問題ありますか?【専門家が解説】
家電製品のプラグについている「アース線」。コンセントのアース端子に取り付けてつかいますが、1つのアース端子に2つのアース線を取り付けるのは問題ないのでしょうか。 【表】電子レンジは何年?家電の「寿命」一覧 「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。 (今回の質問) 電子レンジのアース線と冷蔵庫のアース線を同じアース端子に取り付けていますが、問題ないでしょうか? (回答) 複数の家電製品のアース線を同じアース端子に取り付けても問題はありません。漏電時に感電する危険性があるため、コンセントにアース端子がない場合を除いて、必ずアース線をアース端子に取り付けてください。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆同じアース端子に取り付けても問題ありません
電子レンジと冷蔵庫のアース線を同じアース端子に取り付けても、一般的には問題ありません。 アース線は、万が一家電製品に故障が発生して電気が漏れてしまった場合に、大地に電流を逃がすためのもの。これにより、人体に電流が流れ込むのを防ぎ、感電事故のリスクを大幅に軽減しています。複数の家電製品から発生する漏電電流は、全て同じ大地に逃がせばよいので、複数の機器のアース線を1つのアース端子に接続しても問題ありません。 「電気設備に関する技術基準を定める省令」に基づいて電気工作物の設計や施工などの技術要項をまとめた「内線規程」が2022年12月に改訂され、新築時には雨がかかる屋外のコンセントや台所、キッチン、洗面所、トイレに設置するコンセントにアース端子付きコンセントを取り付けることが義務化されました。これは、水気のある場所で漏電による感電事故を防ぐためです。このような場合には、必ずアース線をアース端子に取り付けるようにしましょう。
◆アース端子がないケースも多々あるので要注意!
ただし既存のコンセントの場合、アース端子が設置されていないケースも多くあります。アース線をアース端子に取り付けなくてもただちに問題が生じるわけではありませんが、水に濡れた場合などに漏電して感電する危険性があることに留意してください。 また、ガス管や水道管、電話のアース線には絶対につながないようにしてください。誤って接続すると、通信障害や感電の原因となる可能性があります。 現在は内線規程によって義務化されたため、新築時には必要な場所に接地極付きコンセントが取り付けられるようになりました。ただし既設住宅の場合は、リフォームの際に電気工事士に依頼して、適切なアース工事をしてもらうことをおすすめします。賃貸住宅の場合は管理会社に相談してみるといいでしょう。 この記事の筆者:安蔵 靖志 ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
安蔵 靖志