「給料も仕事のモチベも上がらない」お金とやりがいの狭間に揺れる会社員の悩みに名越康文が喝!
TVやラジオで活躍する精神科医・名越康文さんが30代、40代男性の悩みに答える本連載。 ▶︎すべての写真を見る
今回届いた相談は仕事関係。給料とやりがいのバランス答えを出す。
【Question #04】給料とやりがいの折り合いをつけるにはどうすればいいでしょうか?
大企業に勤めている同年代の友人に比べると給料が低く、生活水準が上がりません。周りを見ると羨ましくなり、仕事のモチベーションが上がらないことに悩んでいます。会社に愛着もありますし、部下もできて社内でそれなりに認められていると感じるのでもっと頑張らねばと思うのですが、お金とやりがいの折り合いをどうつければいいでしょうか?(42歳・大阪府)
【Answer】自分の実績を振り返り、客観的に評価してみましょう
基本的に立派な方ですよね。会社の期待を背負いながら、自分の置かれた環境の中でより良いパフォーマンスを発揮したいと望んでいらっしゃる。冷静に状況を判断して試行錯誤できるし、クリエイティブな面もある方なのでしょう。 本来であれば、お金とやりがいを天秤にかけるような価値観の方ではないとお見受けします。
お金の分だけ働けば良いという考え方は一見真っ当に見えて、特に人間関係が固定している現場では評判がよろしくない場合もあります。 上昇志向のある方なら、転職し続ける方が良いケースも多いようですが、この方の場合はそうではありません。
ただ、会社がこの方の価値に敏感に気づいて、正当な評価を与えてくれているだろうかというと、少し不安にもなります。そういう寂しさが伝わってくるようなお悩みなのではないでしょうか。 自分で自分を客観的に評価する視点が、日本人には足りないといわれます。ただしこのことは専門家的な意見ということよりは、一般論として謙虚さが美徳とされる日本の文化という意味においてなのですが。
僕自身、自分のこれまでの経歴を書こうとすると、それだけで押し付けがましい気がして、苦しいと感じるときがあります。 でも、自分の実績を振り返り、客観的に評価してみることは謙虚さを欠くことではないし、ましてや悪いことでもありません。 僕のようにこれまでの経歴を書き出すのが苦しいと感じる場合は、キャリアを無料で診断してくれる転職サイトなどを利用してみるのもおすすめです。