固着キャブレターの分解作業で効果的な「段取り」は釜茹でで決まり!!
固着しているキャブレターを無理やり分解しようとして、部品を破壊してしまった経験、ありませんか!? 工業用ヒートガンは200℃以上の熱風でパーツを温めることができるが、加熱された部分はヒートスポットになってしまい、温め時間を間違えると、パーツにダメージを与えてしまうケースが数多くある。固着したキャブレターの分解時に、想像以上に大きな助けとなったのが「熱湯」だったと再認識!! 【画像】固着キャブレターの分解作業をギャラリーで見る(14枚) 文/Webikeプラス たぐちかつみ
やかんや鍋にお湯沸かして水溶性クリーナーを投入
カートリッジボンベのカセットコンロを利用して、メンテナンス専用で使っているやかんに水を入れて温める。その際に、花咲かGマルチクリーナーを少量混ぜて、パーツの脱脂洗浄効果を高めよう。キャブボディ内部の細かな通路の脱脂にも、この洗浄液を混ぜることで効果が高まる。「換気の徹底」と「周囲には引火物を置かない」ようにしよう。
キャブ全体を温めることで固着部品を取り外せる!!
花咲かGマルチクリーナーを混ぜた熱湯やかんの中にキャブレターを浸し、フタをして火を消して30分ほど待った。その後、キャブ本体を引き上げてプランジャ上部の溝にドライバーを掛けて軽く回したところ、固着していたプランジャが、ギギッと音を立てて回った次の瞬間にはスポッと抜けた。内部には固着していた原因の、劣化したガソリンスラッジが堆積していた。
小物部品も徹底分解して茶こしで効果的に洗浄
フロート本体などのインナーパーツを「茶こしネット」に入れて、しっかりワイヤーロック。このワイヤーロックを怠ると、洗浄中の茶こしが開いてしまい、取り出しが大変なことになる。フロートを完全に沈めることで、フロート本体のパンク状態を厳密に確認することもできる。実は今回、この作業でフロートのパンクが発覚した!! 洗浄後に引き上げるとフロート内から、ちゃぶちゃぷと水の音が聴こえた……
サンメカの味方!!ヤマルーブクリーナー原液タイプの底力!!
2リットルのペットボトルを横向きにして上面をカッターナイフで切り落とすことで、小排気量の単気筒モデル用キャブの洗浄なら、使いやすい大きさの洗浄容器を作ることができる。ここでは、プランジャを抜き取ったキャブ本体と小物パーツを「ヤマルーブのキャブレタークリーナー原液タイプ」に浸して完全洗浄した。このキャブクリーナーは、ガソリンで割って使うタイプで、ガソリン7対クリーナー原液3の割合で希釈し、キャブボディや小物部品をドブ漬けで浸しで、完全洗浄を狙った。実は、ガソリンタンクの底に溜まったネチョネチョの変質ガソリンの洗浄にも利用することができる。