「幸福」は伝染する!? 世界でもっとも幸せな上位2%に入る人の驚くべき特徴
まずは簡単な背景から。幸福度チャートの一番上の層にいる人たちに興味を掻き立てられた私は、他の心理学者とは正反対のことをすることにした。つまり、精神疾患の研究をする代わりに幸福の研究をしてみようと思ったわけだ。 【写真】幸福感の高い人の共通点 幸せを感じられる11の習慣
私はまず、大勢の人を対象にアンケートを実施して、その人たちの幸福度を測定し、幸福度のグラフを作った。その結果を大幅に簡素化して、イラスト風にしたもの。 【ハピネスチャート】 平均よりはるかに幸せ → 2パーセンター ほとんどの人は大抵 → まったくもって問題なし ガス欠状態 → ネガティブ 警報ベル → 危険ゾーン このチャートのように幸福度を4つの層に分類すると、先進国に住む人のほとんどは“まったくもって問題なし”の層に入る。私たちはそれなりに健康で、衣食住に困っていない。頭上には屋根があり、冷蔵庫は食べものでいっぱいで、ベッドはふかふか。だから、ほとんどの人は“基本的にまあまあ幸せ”。 でも、この数年は大きな変化が異常なスピードで起きている。気候危機、ソーシャルメディア、テクノロジー、アルゴリズム、ニューロダイバーシティ、伝染病、パンデミック、人工知能、フェイクニュース、戦争などで、現代人は心身を休ませる暇がない。そのため、“まったくもって問題なし”の人たちもガス欠気味で、いつの間にか軽くネガティブになっている。ハピネスチャートの下3分の1には不平不満が付きものだ。 私は決して正式な疾患がある人のことを言っているのではない。その人たちはチャートの一番下の危険ゾーンにいる。私が言っているのは、ネガティブな発言で他人を串刺しにして、自分のレベルに引きずり下ろす人たちのことである。 この人たちは、会話の相手に「ネットフリックスの“イントロをスキップ”があればいいのに」と思わせる。ネガティブ層は、“去ることで”周囲を明るくする人たちでいっぱいなのだ。 私は研究の中で、このネガティブ層から抜け出せない人たちを“物憂げな集団”と呼んでいる。でも、この人たちには、ディメンター(幸福を吸い取る化物)、エナジー・バンパイア(エネルギーの吸血鬼)、ムードフーバー(幸福を吸い取る掃除機)、ドレイン(幸福の排出口)という他の呼び名もあるようだ。