「若松勉とわんわん泣いた」大矢明彦氏がスワローズ初優勝裏話を披露 山本浩二氏、掛布雅之氏、R.バース氏…セ・リーグ好打者との対戦思い出
掛布雅之氏「球種を言わないで」
徳光: 打者ではどうですかね、「ON」以外で印象的な打者といえば。 大矢: 「ON」以外では山本浩二さんかな。よく打たれましたね。攻めようがないっていうか、どう攻めたらいいんだろうなって。よく「ぶつけろ」って言われたバッターも浩二さんだったな。 徳光: バースさんとか掛布さんとか、タイガースのバッターはどうでしたかね。 大矢: バースはピッチャーの癖とか配球とか読むのがすごく上手なんですよ。確かにミートするのも上手だったんですけど、読みがすごくいいバッターでした。だから、逆に言うと駆け引きするのが面白いバッターでしたね。 徳光: なるほど。 大矢: 掛布は球種が分かると打ちにくいバッターなんですよ。「球種が分かったらボール球でも振っちゃう」って言うんですよね。「そうなの」って思うんですけど。 だから、よく、「おい、カケ、カーブいくぞ」って言ったりして…。そしたら、「大矢さん、言わないでくださいよ」。 徳光: そうなんですか(笑)。
もっとやりたかったがチームを尊重して引退決意
ヤクルトの正捕手として一時代を築いた大矢氏だったが、1981年から出場試合数がだんだん減っていく。1985年には17試合出場にとどまり、この年限りで16年間の現役生活に別れを告げた。 徳光: 引退されるときは、やりきったっていう感じでしたかね。 大矢: 正直言って、もうちょっとやりたかったですね。 ただ、やっぱり、ヤクルトっていうチームで選手としてやってきた以上、ある程度、チームを尊重しなきゃいけないっていう気持ちもありました。トレードの話もあったんだけど、結局はヤクルトでずっと面倒見ていただいたわけですし。 最後の年も「引退するって言わないでくれ」って言われてたんですよ。だから、僕、終わるまでは何にも言えないで…。引退試合もやってないんですよね。 徳光: 大矢さんほどの人がやってないんだ。 大矢: はい。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/9/3より)
プロ野球レジェン堂
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