「若松勉とわんわん泣いた」大矢明彦氏がスワローズ初優勝裏話を披露 山本浩二氏、掛布雅之氏、R.バース氏…セ・リーグ好打者との対戦思い出
巨人V9捕手・森昌彦氏「吉田孝司には打たせるな」
徳光: ジャイアンツV9時代のキャッチャーといえば森(昌彦)さんなんですけど、森さんはどういうふうに写りましたかね。 大矢: ジャイアンツのV9を支えてる方でしたからね。「すごいキャッチャーだな」って思っていました。でも、僕がユニフォームを着たときって、ジャイアンツの中で吉田(孝司)さんが少しずつ…。 徳光: 頭角を現してきましたね。 大矢: そうなんですよ。神宮球場の巨人戦で初めて森さんに会ったとき、「お前が大矢か」って言ってくれて、「はい、よろしくお願いします」。なんか教えてくれるのかなと思ったら、最初に、「おい、うちの吉田を打たせんなよ」って言われたんですよ。 徳光:そうですか(笑)。 大矢: びっくりしました。プロってこういうもんかなって。 それで、「あいつはな、2ストライクまでは真っすぐを狙ってる」。 徳光: えっ、そんなことまで言うんですか。 森さんがそれだけ大矢さんに話すってことは、大矢さんに対しても、相当注目してたってことですよね。 そういう意味では、「大矢さんはジャイアンツじゃなくて良かったな」って思いますね。 大矢: はい。それは「はい」って言えますね(笑)。
酒禁止・米もダメ 広岡監督の私生活管理
1976年のシーズン途中からヤクルトの指揮を執ったのは広岡達朗氏。選手の生活に厳しい規制をかける「管理野球」を実践し、1978年にヤクルトを球団創設29年目にして初めてのリーグ優勝、日本一に導いた。 徳光: 広岡さんはどういう監督でしたか。 大矢: 厳しい監督さんだったと思います。 徳光: それは野球理論がってことですか。 大矢: そうですね。 徳光: 三原さんとは違う厳しさ。 大矢: もう三原さんとは考え方が180度違いました。 私生活の話で申し訳ないんですけど、三原さんのときって、まだ泊まるところは旅館が多かったんで、「おい、来い」って呼ばれて円卓で一緒に飯を食って、「まずはビール飲め」。ビールを飲んで食欲を増進させ、飯をたくさん食って、体を丈夫に大きくしろっていう教わり方だったんですよ。 大矢: それが広岡さんになったら、全く逆になって、酒飲むな、米食うな…。食べるんなら玄米みたいな。
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