勤続27年ですが、「自分より若い上司」にこき使われて耐えられません。今すぐ会社を辞めたいですが、今辞めるのは「もったいない」ですか?「退職金」は定年まで働くよりも少なくなるでしょうか?
かつて仕事のイロハを教えた若手社員が、いつのまにか自分より出世して上司になってしまった、というケースは起こり得ることです。「はるかに年下の若い人に敬語で話し、気を遣いながら働く日々が耐え難い。定年を待たずして早く辞めたい。しかし退職金のことを考えると踏みきれない……」そんな悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。 もし定年前に会社を辞めてしまったら、定年まで働いた場合と比べて退職金はどれくらい少なくなってしまうのでしょうか? 本記事では、60歳の定年を待たずに50歳で退職をした場合、退職金がどれくらいになるのか解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
50歳で退職した場合、定年退職より退職金が6割程度に減額する可能性
定年まで勤めるか、定年より早く自ら退職するかでは、退職金の額に大きな違いが生じます。東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」では、モデル退職金(学校を卒業してすぐ入社した人が普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)について、高卒入社のケースでは、定年まで勤めた場合は約994万円、30年働き自己都合退職した場合は約533万円とされており、その差は461万円です。 また大卒入社のケースでは、定年まで勤めた場合は約1092万円、30年働き自己都合退職した場合は約654万円とされており、438万円の差があります。 このことから、30年間頑張って働いたとしても定年前に退職してしまうと、退職金は定年で退職した場合の6割程度に減額してしまう可能性があります。
会社都合と自己都合では退職金に大きく差が出る
また、退職する理由によっても退職金の額は変わります。会社都合での退職(解雇やリストラなど)と自己都合での退職では、退職金の支給条件や金額に違いがあり、一般的に自己都合での退職の場合、会社都合の場合に比べて退職金が少なくなることが多いです。 前述の東京都産業労働局の「 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」によると、高卒・勤続30年・会社都合で退職した場合の退職金は約605万円、大卒の場合は約754万円となります。同条件で自己都合退職の場合の退職金は高卒で533万円、大卒で654万円なので、会社都合より自己都合の方が退職金は約1割強少なくなることが分かります。