勤続27年ですが、「自分より若い上司」にこき使われて耐えられません。今すぐ会社を辞めたいですが、今辞めるのは「もったいない」ですか?「退職金」は定年まで働くよりも少なくなるでしょうか?
老後に必要な生活費はどれくらい?
ある程度の年齢になってから退職を考える場合は、退職金を考えるうえで、老後に必要な生活費を見積もっておくことも大切です。日本年金機構によると、夫婦2人分の厚生年金は月額22万4482円(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額。平均的な収入で40年間就業した場合)です。 一方、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯) の1ヶ月の消費支出は23万6696円です。 以上から収支を計算すると、月額で約1万2000円、年間では15万円弱が不足することになります。あくまで平均値による試算であり、具体的な金額は個々の状況により異なりますが、老後の生活費を年金のみで賄うことは厳しく、不足を補うための退職金がどれくらいになるかが重要な問題であると言えます。
まとめ
1日の大半を過ごす職場で、過大なストレスを抱えながら過ごすことは相当の苦痛となり、そのまま仕事を継続することは心身ともに健全な状態を維持できない可能性が高いので、無理は禁物です。 しかし、早期の退職は定年退職に比べて退職金の額が低くなり、早まった判断がその後の生活に長く影響する可能性もあります。退職については、将来の老後のことも考慮しながら、転職などの選択肢も視野に、慎重に検討していただければと思います。 出典 東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版) 日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 執筆者:根本由佳 FP2級、中小企業診断士
ファイナンシャルフィールド編集部