トリッキーな中山2200mで開催のオールカマー 勝ち馬たちも個性派そろう
オールカマー(3歳上・GII・芝2200m)はレース名の通り、広く門戸が開かれたレースだ。創設当初はサラ系のみならずアラブも出走可能だった。そして86年から94年までは地方競馬招待競走として行われ、95年に指定交流競走が幅広く行われるようになるまでは、数少ない地方馬も出走可能なレースだった。また、外国産馬は78年から、外国馬は95年からそれぞれ出走可能となっている。 バラエティーに富んでいるのが出走馬なら、中山芝2200mというトリッキーなコースゆえだろうか、勝ち馬は個性に溢れている。最初に取り上げるべきは93年覇者のツインターボだろう。前走の七夕賞を逃げ切って迎えた一戦。中舘英二騎手を背に、この日も後続を引き離して逃げた。しかし5F通過は59秒5だから、極端なオーバーペースではない。勝負所を迎えても後続との差は詰まらず、直線に向いた時には、早くも勝負あった。最後は脚が鈍ったものの、2着のハシルショウグンに5馬身差をつける圧勝を収めた。 続いては07年から09年にかけて3連覇したマツリダゴッホだ。有馬記念を含めた重賞6勝を全て中山芝2200m以上で挙げた中山マイスター。07年は差し切り、08年は好位から抜け出し、そして09年は逃げ切りと、全て違った戦法で勝ったことが印象的だった。 最後に18年のレイデオロを紹介したい。単勝2.0倍の1番人気に推され、一見すると順当な勝利だったが、実はこれが日本ダービー馬によるオールカマー初制覇。これ以前は57年のハクチカラ、94年のウイニングチケット、16年のワンアンドオンリーが敗れており、4頭目の挑戦での戴冠だった。また、同日の神戸新聞杯では1歳下の日本ダービー馬であるワグネリアンが勝利。史上初となる日本ダービー馬の同日重賞制覇が達成されたのだ。そういう意味ではエポックメーキングなレースだったといえるだろう。